2週間連続セックス計画9日目。本日も変わらずセックス三昧だ。最近1日がセックスに始まりセックスに終わる気がする。
それでいいのか俺。そう自分に問いかけると「いいんじゃないかな、別に」と幻聴が聞こえたような気がした。
今日は昨日、隣人に情事の声を聞かれるというとんだ羞恥プレイをしでかしたシズちゃんに反省してもらうため初心にかえることにした。
マニアックプレイやフェラ…もちろんイラマもNGで、正常位できっちり一回だけ。がっつきすぎるのも禁止。シズちゃんは不満をもらしていたけれど、そこはなんとか納得させた。
…と、いうわけで。現在ごく普通のセックス真っ最中。
「あっあ、あ、あー…!」
シズちゃんの腰に俺の足が絡んで、俺の背中にシズちゃんの腕が絡む。正常位でいける一番深いところまでの気持ちいいとこ。
ああ気持ちいい。汗ばんだ肌と肌がくっつき合う感触でさえも気持ちいい。
もれでる喘ぎは演技じゃない。わざわざ故意に声出すくらいなら黙ってマグロを決め込むよ。シズちゃんとのセックスは演技をする余裕もないくらいなんだから。あはは、こんなに喘いでる自分が馬鹿みたいだ。
「あ、やッ、ひぁ…」
「………なぁ、臨也」
「ん…?あ、ア、ちょ、話すんならストッ…プ、しゃべりづらいよ…」
数度律動を繰り返して、止まる。中に埋め込んだままだから身動ぐとすぐ感じてしまいそうだ。
うう、シズちゃんのイケメン顔がすぐ目の前いっぱいに広がってるってやばい。すっごいエロイ顔してる。人間じゃない、獣だ。…だめだめ、こんなこと考えてたら中を締め付けちゃう。
「…で、どうしたの?愛してるー…とか?」
「いや、愛してるけどよ。俺が今言いたかったのはそうじゃなくて…」
「そうじゃなくて?」
「…なんか、物足りなくねぇか?」
……は?物足りない?こんなときに喧嘩売ってるのかこいつ。
「………なにそれ、俺とのセックスに不満があるとでも?俺の体飽きちゃった?あんなに好き勝手しといてあっさり俺を捨てるのかこの薄情者!社会的に抹殺してやる!!」
「変な勘違いしてんじゃねぇよ!手前とのセックスは大好きだ!!」
「…そこ、カミングアウトされても困るんだけどさ」
やっぱシズちゃんおかしい。
でもとりあえず話は聞いてやることにした。シズちゃんが俺を愛してるのは嘘じゃない。シズちゃんは嘘つけるほど器用じゃないからね。
「…いいか、物足りないってのは…なんだ…その………」
「…はっきり言いなよ」
「あー…じゃあ言うが、今までの…その、セックス…激しめだったろ?だから…なんていうか………」
もごもご、言いづらそうに口を動かしている全裸男しかも俺の中に一部はいってる……は端から見たらなんと滑稽なことだろう。
けれど………そうか、理解した。
シズちゃんはセックスのときは最初から最後までクライマックスだった。普通の世間一般的なセックスは割りに合わないんだ。…仕方ない、折れてやろう。
「…いつも通りにしていいよ」
「あ?」
「だーかーらっ!激しく…してもいいよ?」
あー恥ずかしい。顔を見られたくなくて首筋に顔を埋めた。
シズちゃんのクスクス笑う声が間近で聞こえてドキドキする。あ、この声好きかも。
「……ほんとにいいんだな?」
「いいって言ってるじゃない。それに俺も……いや、なんでもない」
「…じゃ、するからな」
「ん…ぁあああ!!」
いきなり先ほどとうって変わった荒々しい律動へと変化する。俺の自身にも手を添えられ乱暴に扱かれた。
俺が前も後ろも同時にいじられたらすぐイっちゃうこと知ってるくせに。いじわる。
「やらぁ、だめ、ヒっ、ひやぁああああぁあぁぁ!!」
「…は…ッ……」
はふ、中、今日もいっぱい出てる。若いっていいねぇ。同い年だけど。
…さっき言いかけたこと。俺も普通のセックスじゃもう満足できそうにないってことは秘密。