2週間連続セックス計画4日目。もうこのタイトルに突っ込む気にもなれない。

午後11時16分、俺は今家にはいなかった。夜の新宿をぶらついている。理由は簡単なものだった。シズちゃんから逃げたんだ。
思えば事に及んだのはすべて俺の家。つまり家にいなければ何の問題もない。シズちゃんの家にでも連れ込まれない限り安全だ。

シズちゃんのことだ、連続と言ってたのに1日でも欠けてしまったら無しにするに違いない。今夜はシズちゃんに見つからないうちにそのへんのホテルに部屋を取ればそれで済む。

こんな単純なことになんで気付かなかったんだろう。今ごろ俺の家に行ったシズちゃんは俺の不在を知るんだろうな。そのシズちゃんの顔が見れないのは残念だけど、それよりもまず身の安全の確保だ。

適当に道を歩いていた。それなのに突然、腕を掴まれ引っ張りこまれた。路地裏に。


「な…!?」


俺に恨みをかっている人間だろうか。心当たりが多すぎて全く検討もつかない。
…その人物の顔を見た途端に、俺は思わず眉間にしわがよった。


「どうしてこんなとこにいるのかなぁシズちゃん」
「まさかいないとは思わなかったぜ臨也くんよぉ?めんどくせぇマネしやがって…」
「あはは俺のこと探してくれたんだ?探さないでくれたほうが嬉しかったのに」


というか一度俺の家に行ったはずなのに本当にどうしてここにいるんだろう。ああ、シズちゃんは俺の予想通りにはいかないもんね。相変わらず腹がたつ。

ふと、下半身に感じる違和感。カチャカチャと音がして、なんだろうと思えばベルトが抜き取られていた。


「し、シズちゃん!?こんなところでヤるつもり!?」
「部屋にいなかった手前が悪い」
「わかった謝る!ごめん!だからせめてホテルいこうよ。ね?」
「逃げたらどうなるか、わからせておかねぇとダメだろ?」


シズちゃんはムカつくくらいかっこいい顔で、やらしい笑みを浮かべた。




















「ふ、ふぅううんッ!んッんぅー!!」


びくんびくんと腰が跳ねる。結局俺たちはセックスしていた。場所は変わらず路地裏で。

壁に片手をついて、もう片手は俺の口元に。声を抑えないといけないからだ。手の甲を噛み続ける。
シズちゃんからは後ろからズッコンバッコンされている。いわゆる立ちバックだ。路地裏でするには最適な体位かもしれないけどやはりどこか屈辱的だった。


「あ、ふ。ひうぅぅんッ!」


いつもと違う体位に興奮しているのか、場所に興奮しているのかシチュエーションに興奮しているのか、それともすべてにかわからないけど、とても気持ちいい。声を抑えきれなくてもっと強く噛んだ。鉄の味がした。

すると血の滲んだ俺の手は簡単に引き剥がされた。


「アッ、シズちゃん、手ェ…!声、お、抑えらんないのぉ!」
「だからって血がでるまで噛むかよ」
「やッ!?」


べろり、と傷を舐められた。濡れた感触が何度も傷をなぞる。
俺の中が無意識に震える。


「んだよ…こんなことにも感じるのか?」
「やあぁっ、もう止め…て…っ!イくからぁ…ひあぁン!!」
「声でけぇよ、ばれるぞ」
「いや…ぁ!」


そう言いつつも律動を止めないシズちゃんは絶対どうかしてる。そろそろ本格的にヤバい。頭が真っ白になりかける。くる、絶頂が。


「あっアァ……っんむぅ!」


イきそうになったとき、ぐきっと嫌な音をたてて首が後ろに向けられた。痛い。と同時に合わさる唇。


「んっんんんンン―――!」
「…っは……」


俺の喘ぎは塞がれた唇のうちではきだされ、性器からは白濁が飛び散った。ごぷごぷ、中に注ぎ込まれる感覚が気持ちいい。シズちゃんもイったんだ。


「シズちゃぁん……外で中出しって後処理どうすんの…」
「あー…とりあえず手前の家いくか?」
「…シズちゃんは気付かなかっただろうけど、ここから家までけっこう距離あるんだよね」
「………………ホテル、借りるか」


だから最初からそうしておけばよかったんだ。俺はシズちゃんの頭を殴ったけど、やはり対した痛手にはならなかった。





 
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