海軍本部、聖地マリージョアのとある一室。ここは応接室として、また七武海の会合の際の個人的な部屋として使用されている。

「久しぶりだなァ、名前」
「…っ、相変わらず、むかつく顔」

目の前の、意地悪くにやつく顔を見て、抗いたくなった。いや、最初は抗っていたのに、これが当たり前になったのはいつからだっただろう。

「てめェも相変わらず、憎まれ口ばかり叩きやがる」
「は、ぅ…っあ、」

私が身を捩ると、ギ、とソファーが小さく音をたてた。与えられる刺激に、私はそのふわふわとするピンクを必死に掴む。
目の前の男はその大きい背中を丸めて、私の乳首に吸い付き、口内で転がした。右手は私の腰に周り、左手はもう片方のそれを弄って、弾く。

「そろそろ濡れてきたんじゃねェか?」

彼は、にたり、と口を下品に歪めて、私を上目遣いで見た。それなのに見下されてる感じは拭えなくて、どうしてもこの男には敵わないのだと思う。

「…っうるさい」
「素直じゃねェなァ」

きっと赤いであろう顔を見られたくなくて顔を背けても、彼の手は私の顎を掴んでそれを許さない。そのまま深く口付けられて、私は酸素を求める。

「ん、ふ…っ」
「名前、」
「…ふ、ぁ、ドフラ、」

息継ぎの合間に名前を呼ばれて、またキス。じくじくと、彼の両足を跨ぐ私の中心が反応するのが分かった。

「…名前、いったん降りろ」
「ん、」

キスの嵐が終わり、ふいにそう命令された。今の自分の服装を見て、あぁと納得。…ズボンだからか。
こういう時の自分とは全く恐ろしいもので、彼の命令に対して従順なのである。私は彼の膝の上から降りると、彼はすぐに私のベルトをゆるめ、ズボンと下着を取り払った。
じくじく、また、そこが期待に濡れる。

「悦くしてやるよ」

ぐ、と腕を引っ張られて、また彼の膝の上。躊躇いなく彼の右手が秘部に触れられると同時に、そこはくちゅ、と厭らしい音をたてた。

「あ……」
「しっかり濡らしてんじゃねェか」
「うるさ、…っんぁ、!」

せめて口先だけでも抵抗したいと思っていたのに。
突然指を2本も入れられて、私はその言葉を最後まで言えなかった。
悔しい私の心情を読み取ったのか、私の中でバラバラに動く指の主はざまぁみろとでも言うようなむかつく笑みを向けた。

「まだまだ甘ェな、名前」
「っ、…最低…っ!」

自分だって、興奮してるくせに。
必死に彼の服を掴んでいた手を緩めて、彼の下半身へ移動させた。ゆるりとそこを撫でると、私の中を掻き回す指の動きが止まった。

「…っ名前、」
「自分だって…」

ドフラミンゴは私の中に入れていた指をベロベロと下品に舐めながら、私を見る。熱く火照った体、ぼーっとした頭で私はそれを見ていた。

「ヤラシイ顔しやがって」
「…してない」
「くれてやるから、自分で挿れろよ」
「え、…っ、ちょ、」

ドフラミンゴはすっかり勃ち上がったそれを取り出し、私の膣口に擦り付ける。時折それが、突起に当たって私は肩を震わせた。
まさかの要求に、嫌だと睨み付けても彼は私を焦らすように自身を擦るのみ。与えられる弱く甘い刺激に私は唇を噛んだ。

「ほら、」
「……っ、ん、」

彼のそれに手を添えて、ゆっくりと腰を落とした。膣を拡げられる感覚に息が止まりそうになる。

「あー、すげェ」
「っ、あ、…はっ」

気持ち良くて、先が怖い。これ以上先に進めたらどうにかなってしまいそうで、腰を落とせない。

「まだ全部入ってねェぞ」
「だ、って…も、むり」
「…仕方ねェなァ」
「え、ゃ……っああ!」

そんな私に痺れを切らしたのか、ドフラミンゴは舌打ちすると私の腰を掴み、一気に突き上げた。突然の強い刺激に、私は彼の肩に手をついて体勢を保つ。

「は……っ、すげェ、良いぜ、お前の中」
「ひゃ、あっ、…ん」

激しく突き上げられて、途切れ途切れに喘ぐことしか出来ない。熱い。でも、気持ち良い。
恋人じゃない、こんな曖昧な関係でも彼と私の身体の相性は完璧で、むかつくけど抜け出せない。欲しいと願ってしまう。もっと、とねだりそうな気持ちを抑えて、何度抱かれてきただろう。

「…名前、」
「は、ぁ…ん、んっ」

抱かれてから分かったこと。行為の最中のドフラミンゴのキスはくらくらするくらい甘い。優しく触れらて、思わず口を開けてしまう。すると入ってきた舌に口内を犯されて、絡められて、酔いしれる。

「そろそろ、俺のになれよ、」
「絶対、嫌…っ」

私の虚勢はいつまで保てるか分からない。でも、耳元でフッフッフと笑う彼に全てを捧げるのは悔しいから、時折見せる優しさに心が揺れそうになるのを抑えながら、この甘い情事に溺れた。





title:空想アリア





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