光る金髪に、目を見開いた。その輝きが綺麗だったからじゃない。その色に、見覚えがあったからだ。

「―――サンジ…、」

震える唇で呟いた。自分でも驚くほど小さかった声でも、彼には届いたようだった。振り返ったその顔は、変わらないあの頃のまま。

「名前…?」
「…久しぶり」

にこりと微笑んだつもりだったけど、上手く笑えてたかどうかは分からない。でもそんなことはどうでも良かった。サンジが、私の手を引いたのだから、もうどうでも良かった。

「……ん」
「は、…名前、」

人気のない路地で噛みつくようなキスを繰り返す。名前を呼ばれて、奥が疼く。
あの頃はお互いに幼すぎて、大切なものが何なのか分からないうちに、離れていた。後悔の中再び出会った男女がどうなるかなんて分かりきっている。
背が伸びた。色気が増した。逞しくなった。よく見れば私の知っているサンジとは些か違っていたが、私を求める唇の温度、吐息、声が、サンジだった。

「サンジ、」
「ずっと、探してた」

サンジは切なげな瞳でそう言うと、再び私にキスをする。舌をねじ込んで、口内を侵す。歯列をなぞられて、ぞくぞした。耳に入ってくるリップノイズが、お互いの欲を掻き立てた。

「は…っ、わたし、」
「今でもずっと、お前が好きだ」

私が酸素を求めている間に、サンジは首筋にキスをした。そこを舐められ、ゾワッと体に何が走る。チクリ、小さな痛みが走る。ああ、私、まだ愛されてる。

「サンジ、好き、好き…!」

自ら腕を絡めて彼を求めた。離れていた時間を取り戻そうと、ひたすら求めた。身体が、心が彼を覚えていた。彼以外では潤すことが出来ない私の渇いた身体が、潤う。求める。だって私たちはまだ、こんなに愛し合っている。



(はやく、欲しい)



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