食うか、食われるか。

「ひぁ、や、だ!」

大きな手が身体に触れる。後ろから捕らえられて、声が上ずった。

「逃げんじゃねェ」
「だって…ッん、」

無駄な抵抗だというのは分かっている。分かっているのだが、どうしてもその飢えた目に抗いたくなるのは弱者の性か。

「…感じてるくせにな」
「あ、ッ」

いつの間にか下着を脱がせて、隔たりの無くなった私の身体。サーの手のひらの中で形の変わる胸。突起に触れるたびに私の身体は跳ねた。もう、あとは彼の思い通り。

「サ、ぁ、ん、」
「なんだ」

胸から移動した手がゆるゆると内股を撫でる。もどかしさに息が上がって、僅かな理性と本能の隙間で揺れた。
次の日立てなくなることは目に見えている、のに。

「…っもっと、ちゃんと、触って、」
「クハハ、…お望み通り、」

――触ってやる

耳元で囁かれてゾクッとした。
結局いつもと同じ。指が私の中を犯して、はしたない声を漏らした。私よりもイイところを知っている彼が、私から理性を奪うことはいとも容易い。

「今日も良い声で啼け。名前」
「ぁ、サー、ッ…、っ」

まさに弱肉強食。弱い私は、彼に食べられるしかない。愛しい彼を受け入れ、名前を呼ぶ。
抱き締められる心地よさに、全てを委ねて。


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