3/9

目が痛い。焼けるようだ。俺の目はどうなってしまうのか。すでに左目は視えなくなった。では、右目は?この右目はどうなる。…傷が痛い。このまま何も見えなくなってしまったら?俺は光を失ったまま生きていくのか?右目も、いつか視力を失うかも知れない。

屋敷にあった襲撃。ここの領主であるジーノ・テシオが殺された。使用人や助けに入った自警団の仲間も一部が亡くなったが、幸いだったのはジーノの幼い一人息子が無事だったということ。子供が殺されるのを見たくはない。
咄嗟に助けた時にしたヘマのせいで俺は目を怪我した。見殺しにすればこんなことにはならなかったのかも知れない。自分の目とヒトの命。俺の目はまだ片方視えるのだし、誰かの命を救えたのなら良かった…そう思うことにしよう。命は一つしかないからな。

昨日、あの助けたチビが意識を取り戻したらしい。助けた後すぐ気を失ってそのままだったからな。少し様子を見に行ってやろうか。


―盲目の英雄ファーガス・セントサイモンの独白より―

[*前] | [次#]
戻る

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -