闇のリズム的ラブラブクリスマス・翌朝



全身を包み込む暖かな太陽の光を感じて、私はゆっくりと目を覚ました。
瞼を閉じていても感じられる眩しさは、早朝を遙かに過ぎて、午前の遅い時間のもの。
私は身体中に感じている深い疲労と、ズッシリとした重たさに逆らって、ノロノロと目を開いた。


ぼやけた視界には、白い壁の上で時を刻んでいるシンプルなアナログ時計が映る。
あぁ、もう九時を越している。
どうりで日光が眩しい筈だわ。
ゆっくり寝ている場合じゃない、早く起きてお仕事しなきゃ。
私はダルさが残りながらも、それは決して嫌な重さではなく、寧ろ甘やかで心地良い倦怠感を纏った身体を、渋々起き上がらせようとした。


――っ?!


そして、気付く。
腰に回された、しなやかで太い腕に。
私の身体をグッと押さえ付け、無意識にベッドへと引き戻す、この腕は……。


「……シュラ様?」


首だけを回して背後を振り返る。
そこにはグッスリと眠るシュラ様の顔があって、私は小さな笑みを零しながら身体を回転させて、彼と向き合うように体勢を変えた。


昨夜は……。
いや、今朝方まで何度も続いた深い愛の行為は、本当に熱く濃厚で。
今日は休みだからと、シュラ様も羽目を外し過ぎたのかもしれない。
私は指先一つさえ動かせない程に疲れ果ててしまっていたが、彼も相当に体力を使ったのだろう。
トレーニング好きのシュラ様が、早朝の修練を怠るなんて、随分と珍しい事だ。


向きを変えたと同時に、無意識に私の身体を自分の腕の中へと引き込んでくる力に逆らわず、私はその逞しい胸板に顔を埋めた。
そして、もう一度、軽く笑みを零した。


「……何を笑っている、アンヌ?」
「っ?! 起きてらしたのですか、シュラ様? グッスリ眠っているのかと思ってました。」
「聖闘士だからな、眠りは浅い。それより、何がおかしいんだ?」


薄く目を開いて、問い詰めてくるシュラ様。
その少しボンヤリの抜けない気だるさが、妙に艶めかしいと言うか、色っぽいというか。
視線一つでも、そんなにセクシーだなんて反則過ぎる。
こんな至近距離からでは直視していられなくて、彼の胸に埋まるように顔を隠せば、隙の出来た額に、じっくりと押し付けるキスを施された。
その自然に流れる仕草が、何とも言えず色っぽい。


「あの……、シュラ様でもトレーニングをサボる事もあるものなんだなと思いまして……。」
「流石に今朝は無理だったな。だが、その分は午後からのトレーニングで取り返すから、問題はない。」


結局、トレーニングには行かれるのですね。
やっぱりシュラ様は、修練が大・大・大好きな『鍛錬の鬼』です。
他の皆さんが、そう言うのも頷ける。


「今日くらいは、のんびりしたって良いんじゃないんですか?」
「アンヌは俺にトレーニングに行って欲しくないのか?」
「そういう訳ではなく、たまにはゆっくりするのも悪くないのではないかと思いまして。ほら、昨日から凄く寒いですし、雪も降りましたし。」
「そうだな……。今からアンヌが、もう一戦、俺と交えてくれるのなら、それも悪くない。」


……もう一戦?
意味が分からず首を傾げたのも束の間。
直ぐに理解した私は、慌ててシュラ様の胸の中から跳ね起きた。


「無理です! 無理、無理! もうクッタクタのヘットヘトなんですから!」
「そうか? アンヌの身体が凄く良いから、俺は、まだ数回はイケるぞ。」


シュラ様はね!
聖闘士ですからね!
ある程度の余力は残っているでしょうね!


でも、私は無理なんです。
身体も体力も、極普通の一般人なんですから。
大体、昨夜、あんなに何度も致しておいてですよ。
今から、まだ致そうなんて、有り得ないにも程がある。


それもこれも、ミロ様が用意したとかいうクリスマスプレゼントのせいだ。
それは、例によって際どい大人チックなベビードール。
しかも、サンタさんの衣装をイメージした可愛いフォルムなのに、身体を包む黒い布地はスッケスケで、隠す気なんてこれっぽっちも見当たらない造形。
これにシュラ様が興奮しない筈はない。
元々、ミロ様が恋人さん用に赤い色のサンタベビードールを購入するついでに、自分の分もと色違いで頼んだらしいので、それはもうウキウキだったに違いないのだ。


「あれは良い。もう一回、着てみせてくれ。」
「嫌です。もうクリスマスは過ぎましたでしょ。こんな明るい時間に、あんな破廉恥なもの、身に着けられません。」
「む、そうか。ならば、来年はイブとクリスマス、二日掛かりでタップリとアンヌを可愛がってやる事にしよう。」
「え……?」


一年先のとんでもない予定を宣言されて、激しく怯んだ私の一瞬の隙。
それを、流石にシュラ様は見逃さなかった。
あっと言う間にベッドに組み伏せられ、気付いた時には、その唇が首筋を這い、貪欲な両手の指が私の敏感な箇所を巧みに探り潜り込む。
柔らかに隆起する丘は緩やかに揉みしだかれ、昨夜からの名残に潤んだ奥は執拗に掻き回され、全身の感じる部分という部分を徹底的に隈なく探られ、乱されて。
それでいて決定的な快感は与えられなくて、私の身体は意識の外側で勝手に身悶えてしまう。


こうなってしまっては、私の全てを知り尽くしているシュラ様に抗う術なんてない。
大きくなる一方の期待感と欲求、そして、抵抗する事への諦めから、その先を観念した私は。
ゆっくりと私の奥深い内側へ突き進んでくるシュラ様自身を、自ら進んで受け入れ、背を大きく反らしながら、嬌声の混じる甘い吐息を漏らした。



‐end‐





微妙にEROになりました、翌朝編^v^
ERO山羊さまに、万歳三唱!
そして、スケスケなサンタベビードールを、恥ずかしげもなく二着も購入したミロたんに、盛大な拍手をwww

2011.12.27



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