流されてジパング! | ナノ




健康ってなんだろ

「マッズウウウウウウ!!!ゲホッゲホッ」

飲んだ瞬間にっこり笑ったDIOの口からは赤い液体、もとい先ほどあげたわたしの血が飛び出してきた。
こいつが血を飲ませろと言うのでわたしの血をあげたのに。こいつ殴ってもいいかな。
そう思ったけど、DIOの顔が真っ青なのでちょっと不安になった。

「そ、そんなに…?」
「マズすぎる…!お前は本当に人間か…!?」
「えー…なんかごめん(人間やめたDIOに言われると妙に説得力があるよーな、ないよーな…)」
「…誰も殺しはしない。だから、だから他の人間の血を吸ってもいいだろうか…。ほんのちょっぴりだ。もちろん同意のもとで、だ」
「い、いいよ。誰も殺さないでね。吸血鬼にもしないでね(切実だ…)」
「もちろんだ…グッフ…」
「これは倫理的にも、今後のDIOの暮らしやすさにも影響してくるからね」
「分かってい…うえッ…」
「ご、ごめんやん…」


数時間後。
「た、ただいま…」
「おかえりDIO。どうだった?」
「…この時代の人間の血はマズすぎる!なぜだ!?昔は…このDIOの生きていた時代は…少なくとも女の血は美味であった!!女も男も、子どもまで…まるで飲めたものではないッ!」

DIOは激おこだったッ!

「あー…生活習慣とか、食生活の変化、かなあ(どうやって子どもから貰ったんだろ…)」
「わたしはろくな血も飲めずこのまま野垂れ死ぬのだ。誰も悲しむこと無く、みすぼらしくな…未来は潰えた……」
「DIO……(まるで芝居を見ているようだ)」
「むぎこ…なあ、お願いだ。わたしのために健康的な生活を送ってくれないだろうか…?」
「いいよ〜」
「軽ゥ!」

こうしてDIO監修のもと、むぎこの生活習慣改善プロジェクトは幕を開けたのだ!

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