君とおそろい
日直!豪炎寺くんと!一緒じゃん!
状況は今話した通り。
明日私は日直で、豪炎寺くんも明日日直で、二人で日直で、つまりは二人であわわわわ。
私はクールな炎のストライカー豪炎寺くんに密かに恋心を寄せている。
それは中学一年生の時の出来事で、何もない廊下で私がつまずいて、するとたまたま私の前方にいらっしゃった豪炎寺修也くんが私を、あの逞しい両腕で抱き止めてくれたのである。
これが私の一目惚れメモリアル。
それからと言うものの、私は気が付くと豪炎寺くんを目で追ってしまい、はたまたサッカー部を校舎の窓からガン見してしまい…私は完全に豪炎寺くんにハートをわしづかみされてしまっていたのでした!
とまあ、それはさておき。
時刻は12時を過ぎております。
そろそろ寝ないと、明日寝坊なんかして日直日誌を取りに行けなかったら!
恐ろしいことを考えてしまった。
あの豪炎寺くんの冷たい眼差し。
軽蔑するような目…あ、悪くない。
いやいやいや、おかしいぞ私!
寝るんだ!寝るんだ、私!

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「なまえ!なまえ!今日、日直なんじゃないの!?」寝坊しました!
朝ごはんをスルーして、飛び出した。
今の時間的には普通に登校じゃあ間に合わない!
完全に遅刻だ!
猛ダッシュで、髪の毛がべたりと頬に貼り付く。
もう校舎とグランドが見えてる。
まだちらほらと制服姿の生徒が居るし、遅刻にはギリギリセーフだが日直の仕事には間に合わない。
豪炎寺くんに会わす顔がないようと愚痴って、深い溜め息を吐く。
「俺がどうかしたか」
いかんいかん、幻聴まで聞こえる…って、
「豪炎寺くん!?」
「おはようみょうじ。余裕の登校だな」
「あ、ごめんなさい豪炎寺くん!私、寝坊しちゃって」
すると豪炎寺くんは困ったように、眉を下げて笑った。
「それがな、俺もみょうじのことを言えなくてな。言いづらいんだが、朝練に夢中で…」
豪炎寺くんが少しだけ頬を染める。
二人して日直の仕事を忘れたため、事情を話すと先生は爆笑しながら日誌を渡し、やり直しな、と言って去って行った。

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「ごめんね、豪炎寺くん。私が寝坊しなければ今頃豪炎寺くんはサッカーができていたのに…」
黒板を消しながら肩を落とす。
夕焼けに照らされた教室で豪炎寺くんと二人だなんて普段なら最高のシチュエーションだけど今日ばかりは溜め息しか出てこない。
「別になまえが気にすることじゃないだろ、また明日やればいいしな」
「…豪炎寺くん、あのね、」
チャンスだと思った。
私は豪炎寺くんのメールアドレスなんて知らないし、電話番号だって。
二人きりのいまが、私が今まで一年とちょっと留めていた気持ちを伝える時。
「私、豪炎寺くんのことが…」
その時、ガラガラッと教室の扉が開いた。
咄嗟に私は豪炎寺くんに背を向けて。
「おーい、豪炎寺ぃー!早くサッカーやろうぜ〜!まだ日直終わんないのかぁ〜?」
「もうすぐ終わるよ、円堂。待っててくれ」
サッカー部の嵐、円堂くんだった。
邪魔をされた…!
「すまない、みょうじ。それで…?」
「えっと、な、何を言おうとしたか、忘れちゃった!なんでもないよ!」
たらりと汗が一粒頬を伝う。
豪炎寺くんは不思議そうな顔をして、そうか…と呟いた。
「よかった。先に言われるんじゃないかと、ハラハラしたんだ」
「え、」
「みょうじ、お前に言いたいことがあるんだ」
窓から入ってきたオレンジが、豪炎寺くんの頬を染めて。
笑った豪炎寺くんを見て、私の頬も豪炎寺くんとおそろいだった。

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さおりちゃんお誕生日おめでとう!
遅くなっちゃってごめんなさい(T_T)
私としたことが(;´д`)
ぴったりの12時にあげたかったああ!
急いで書いたから、変に長くなっちゃったりとか女の子のテンションが謎だったり、ごめんね(>_<)
さおりちゃん以外持ち帰らないでくださいな。
生まれてきてくれてありがとう!

lo bramoのさおりちゃんへ、お誕生日夢
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