「遊星。いいもん見つけたぜ。一緒に見ねぇか?」

クロウが楽しげに手に何かを持ってやってきた。
オレはその無邪気な笑顔にドキリと胸が高鳴る。

どうやらよく見るとクロウの持っているのは…AV。
アダルトビデオだ。

「いつものか?」

クロウはオレの問いにうなずく。

ジャンク山で拾ったらしい成人向けの、多分無修正。

「わかった。オレの部屋で待っててくれ。」

オレとクロウは仲間。

14歳。
この年齢になれば、性に興味を持ってもおかしくない。

最初は好奇心でオレのパソコンで一緒にAV見たのが始まりだった。
それからオレ達はAVを見るときは一緒に見るようになった。

「じゃあ待ってるぜ。」

オレは早くクロウとAVを見るために、いらないジャンクパーツを片付けに走る。

クロウはきっと男友達だから気にしていないだろう。

だがオレは・・違う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クロウが、好きだから。

クロウの笑顔を思い出したら、胸がチクリと痛んだ。


* * * * *


『あっあっ…はぁんっやぁぁんっ』

AV女優の甲高い声と、卑猥な水音が室内に響く。

オレとクロウは自分で自身を慰めながら、荒い息を吐く。

「はぁ・・あ、あ・・・」

クロウの堪えた喘ぎが耳に響く。

オレはいつもクロウの斜め後ろにいる。AVを見ているフリをしてクロウを見れるからだ。
必死に画面を見ながら自慰行為をするクロウはどんなAVよりもエロい。

「・・っふ・・・・はぁ・・は・・っ」

オレの変な声五月蝿い。
クロウを思って自分自身を慰める時の難点は自分の喘ぎが抑えられなくなることだろう。あとAV女優も五月蝿い。

クロウの姿に集中する。
いつものクロウとは違う妖艶な表情のクロウは気持ちいいのか瞳を閉じて自慰をしている。
クロウの手元からはぐちゃぐちゃといやらしい音がなっている。

快感に染まるクロウの顔を見て、オレはごくりと生唾を飲み込んだ。

「あ、うぁ・・・は・・ぅ・・!」

クロウの声にオレの頭はショートしそうだ。

クロウは自身の先端部を指で掠めるたびにビクビクと爪先を震わせている。卑猥な光景に遊星はいつイってもおかしくなかった。

もうクロウ以外見えないし、聞こえない。

クロウのいつもより高い喘ぎ声に、耳から背中まで快感がゾクッと走る。

あの固く閉じた瞳を開いてほしい。その瞳でオレを見て欲しい。

オレがこんなにクロウを見ていられるのはクロウが決してオレの方を見ないのを知っているからだ。

いつも最初はAVを見て、快感に溺れた後半はずっと目を閉じている。

オレを見て欲しいと思いながらも、決して瞼を開いてこちらを見ないでくれと身勝手に願う。

(・・・・・・・・・・クロウ。)

心の中で名前を呼ぶ。何度も、何度も。
いつからだろう、クロウに仲間以上の・・親友以上の感情を抱いてしまったのは。

でもこの想いは悟らせない。
悟られた時、想いが通じなくても無理矢理何かをしてしまいそうな自分が怖い。

恋人じゃなくていいから・・・親友でいいから、ずっとずっとクロウのそばに居たい。

好き、好き、大好きだ。
クロウの全部が。

傲慢で、卑怯だからオレは・・こんなコトで欲求不満を解消してる。

すまない、クロウ。

でも、ココロの中でだけだから何度も言わせてくれないか。




(・・・好き。)



溜まった欲望を吐き出した後に残るのは・・・


“友情と愛情と罪悪感。”











END





最近一人称に挑戦中。
普段は三人称が多いのでたまには一人称にしてみたケド難しいね(´ω`)

まあ一番難しいのはエロかな!

妄想は楽しいのにねっ


クロウはオナニー、遊星は自慰って言いそうだなと思うのはあたしだけでしょうか、あたしだけですかハイ。






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