「よってたかって女相手で恥ずかしくないワケ?」
ラリーが顔を上げると、同じ年位の黒髪の男の子が立っていた。
サテライトとシティが一緒になったおかげで、ラリーも小学校に通えるようになった。だが差別はすぐには消えない。今もラリーはマーカーのことで見知らぬ上級生に絡まれていたのだ。
だが助けようとしてくれる少年はひとつ重大な勘違いをしていた。
ラリーは男の子だ。
「んだよガキ!」
「そこの通りの向こう、セキュリティいるからな。」
殴りかかろうとした上級生は“セキュリティ”の言葉にピタリと固まる。
上級生たちはすぐさま舌打ちをして去ってゆく。
あまりのあっけなさにラリーは唖然としてしまう。
そして取り残されたラリーは黒髪の少年のほうを向く。
黒髪の少年はすでに去ろうとしていた。
「まてよ!」
ラリーが声を張り上げると、少年はめんどくさそうに振り返る。
「なんだよ」
助けて貰ってなんだが・・・愛想ないヤツだ。
「ありがとう。」
「別に。」
なんか・・・ちょっと遊星っぽいって思えば可愛いかもしれない。
「女なのにマーカーつけてフラフラしてるから絡まれるんだ。」
ラリーはだいぶカチンときた。
初対面に女、女、言われて平気でいられるほど広い心は持っていない。
「・・・・・・・・・・・・お前、名前なんだよ」
「・・・・・初対面に教えるかよ」
ラリーはキッと怒りを込めて少年を睨む。
「ならお前!助けて貰ったのには礼を言うが、オレは男だバカ!!」
少年はポカーンと固まっている。
ラリーがフンっとそっぽを向くと、少年は小さく呟いた。
「・・・・・男?」
「何回言わせる気だよ」
少年はじっとラリーを見てから、再び興味なさそうに帰ろうとする。
今度はラリーも止めなかった。
が、少年が立ち止まり顔だけ振り返る。
「スライだ。さっきは悪かったな。お前は?」
ラリーは目を丸くする。
お、思ったより悪いやつじゃ・・ないかも。
「ラリー。」
スライは会って初めて、笑った。
「名前まで女みたいなヤツ。」
ラリーの中でスライはやっぱ悪いやつ、と認識された。
「うるせーな!馬鹿にすんじゃね――――――――――!!」
ここで、2人は互いにもう会わないだろうと思った。
ところが遊星に会いに行き、スライとラリーが再会するのはそう遠くない話。
END
絶対出会わないであろうショタっ子シリーズ(?)
シリーズ化するか不明。言ってみただけ。
とにかくラリーをだしたかっただけ←
ごめんスライの口調わからないです。もっと喋れ!←
毎回駄文でスミマセン…