ちゃっぴーさま | ナノ
静まり返る寝室で
夫婦になって
あまり経たない
二人がもどかしそうに
体を動かしていた…
―+抱きしめて…+―
事の発端は
夕食時のアニスの発言で…
結婚してから3ヶ月記念とか
なんとか言って、
ルーを無理矢理
アニスの部屋で寝させて…
そう、つまりこの寝室は
エマとシオンの二人きりの
状態である。
しかも、二人きりになるのは
かなり久しぶりで…
もどかしいったら、
もどかしいったら…
とりあえず、エマとシオンの
間には一人分のスペース
があった。
「…………」
寝苦しい。スゴく寝苦しい。
いつもはルーが横にいて
その横にエマがいるからこそ
落ち着いて寝れるのだが、
今日はエマが横にいる。
色々あって。
別に嫌っていうことはなくて…
むしろ嬉しい…っていうか…
って、オイ!!
何考えてんだオレ;;
そんなコトをシオンが
考えていたら…
もどかしそうにエマが
「あの…シオンさん…
抱きしめてもらって
いい…ですか?…///」
「「はぁッ!!?/////」」
シオンが鼻血を吹き出すような
言葉を言ってきた
「エ、エエエ、エマ!?//」
「あ、あの;;
変な意味ではないんです!!
…………ただ、寂しくて」
「―――…っ、」
シオンはエマの言葉に
動揺を隠せずにいた。
エマは山奥の中で
一人でいたのだ…
たった一人、孤独の中で…
――オレトオナジ――
ギュ…――
「シオ、ン…さん…//」
「……これでいいか?」
「はい…
ありがとうございます…///」
エマの笑顔を見て、
シオンの抱きしめる力が
強くなる。
「シオン…さん?」
「あのな、エマ…
―――"抱いて"いいか…」
三日月が僕らを優しく
見つめていた。