おふざけ
全体的にすみません




3つのスポットライトが当たっているだけの空間。その静寂とどこか緊張の混じった中に、一つの声が響く。


「どう思う」


エイリア学園マスターランクチームの一つ、ガイアのキャプテンであるグラン。その手にあるものは、

女性ものの下着――パンツだった。

「どう思うって……」

「ついに変態をこじらせたか…」

同じくマスターランクのプロミネンスキャプテン、バーンもダイヤモンドダストキャプテン、ガゼルもドン引き状態である。

「ちょっと…誤解してるみたいだけど別にこれオレのじゃないからね!」

「……………」

「本当だってば!!」

グランが言うには、このキャプテン同士のミーティングに向かう途中で拾ったとか。持ち主の手掛かりを一緒に考えるべく持参したらしい。

「や、何でそこで持ってくんだよ!落ちてるもんをほいほい拾ってくんな元の場所に戻してこい!!」

「何を赤くなっているバーン。そもそも女子に聞いた方が早いではないか」

「えぇー…じゃガゼルが行ってよー…」

「…何故私が」

「…なんか…嫌でしょ、女子に変な目で見られるの…」

「……………」

所詮彼らも思春期である。

「バーン行ってよ」

「意味分かんねっ!てか拾ったんだから責任持てよ拾い主!」

「そうだぞ貴様が行け拾い主!」

「そりゃそうだけど!ウルビダに何て言われるか…というかどこを蹴られるか」

このままでは埒があかないので、とりあえず3人で下着の持ち主を考察することになった。黒地に小さなピンク色の花柄、白いレースがあしらってある所謂“大人な下着”だ。

「……」

「さっきから黙っているがどうしたんだバーン」

「………」

「あ!バーン顔真っ赤だー!顔上げなよホラ、ガゼル見て!」

「うるせぇ!!てか逆に何でお前ら平気なんだよ!!」

「意外にもウブなんだなバーン」

「もっ……ホントうるせぇ…」

本当に湯気が出ていそうなほど真っ赤なバーンを散々からかい、ガゼルがいきなり真剣な顔つきになる。

「私が推測するに」

「おっ…おぉどうした…」

「この下着の持ち主は限られる、しかも私のチームには有り得ない」

「どういうこと?」

ふふんと髪をかきあげいちいちキザな動作でガゼルは続ける。

「落ちているのはパンツだけだがおそらく下着は上下揃えて着用するだろう。この手のデザインは良くてBカップ辺りからではないかと考えられる」

ふむふむ、と聞き入る2人にガゼルはゆっくりと俯きがちだった顔を上げる。私のチームでないという極めつけは、という言葉にごくりと息をのむバーンとグラン。

「私のチームの女子は誰もがBカップ未満あるいはブラジャーを着けなくてもさほど変化もない大きさだからだ!!」

「最低だこいつ!!最低なことを最高のキメ顔で言ったよ!!」

最低なことを最高のキメ顔、いやドヤ顔で言い放ったガゼルにバーンも唖然。グランは成る程…と頷いているが。

「じゃあオレのとこかバーンのとこだね」

「そういうことだな」

「おいおいそんな根拠もねーのに…」

「でもプロミネンスはさ、挙げるとするなら彼女しかいないんじゃない?ほら、メガネかけてて髪の長い」

「ひっ、人のチームメイトをどういう目で見てんだテメェは!」

「ボニトナ、だったか?確かに彼女ならあり得るかもしれないな、他の女子2人は私のところの女子と変わらないくらい貧乳だっただろう」

「…お前それアイツらの前で言ってみろ、消されるぞ」

「それに比べてガイアの女子は発育が良いな」

もはや変態丸出しのセリフでも平然と言ってしまうガゼル。今更だけど。

「ウルビダもキーブも胸大きいし言っちゃ悪いけど君たちのところより大人っぽいしー?」

「貴様…私を愚弄するか。ロリの魅力というのもあるだろう」

「なっ…おおオレんとこだって色んな属性あんぞ!」

もう何の口論なのか。
そしてちゃんと完結するのだろうか。
段々とゴールが迷宮入りになっていく中で、この妙な空間の中に別の人物が入ってきた。

「グラン、ここにいたか」

「あっウルビダ…」

「おい会議中だぞ」

「すまん、お父様が呼んでこ、い…」

そこでウルビダの視線はグランの手元へ。そこには勿論話題となっていた女性用の下着が。

「あっ、いやこれは別にね、やましいことはなくて…」

「…じっくり事情を聞こう」

「ちょっ助けて2人とも…っていない!」

後にウルビダによって制裁されたグランが見られ、ちなみに下着の持ち主はグランのチームのクィールのものだったらしい。


「お前の読み外れてね?」

「…………」









すみませんでした。


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