(涼)南←蓮



普通に仲の良い幼なじみで、最も信頼出来るキャプテンで、韓国の代表選手で、自慢の、男友達。それが、晴矢だ。
もう友達として見れていないのが事実だけど、私は晴矢が、ずっと昔から好きだったのかもしれない。
もっと周りの女の子みたいに可愛い素振りでも出来たらいいのに、思ってることとは裏腹にいちいち自分からふっかけて、口喧嘩になってしまう。我ながら可愛くない女だ。でも、いつからだろう。いつもいつも喧嘩をしてそれからどっちも意地を張って結局茂人や穂香たちが仲裁に入っていたのに、晴矢から折れるようになったのは。
晴矢がどんどん、成長している。
私を置いて。
あの計画のときも、キャプテンとしてみんなのことを自分1人で背負い込んで、私たちを守ってくれた。
私を置いて、韓国へ行ってしまった。
そのときに必ず、晴矢のとなりにはあの人がいた。

あの人はきっと、晴矢が好きだ。
晴矢もきっと、あの人が好きだ。
男の子同士だけど、私は別に良いと思う。そりゃ、世間体からしたらちょっと変わってるんだろうけど。
でも晴矢だから、というのと相手があの人だから、というのがあってか不思議と変な感じはしないのだ。

私の初恋は晴矢で、今でも好き。
だけど私は晴矢のとなりにはいられないよ。追いつけないよ。晴矢はどんどん先に言っちゃうんだから。足手まといになる私なんかよりあの人のほうが晴矢をもっと大切に想ってくれる。守ってくれる。

正直私はあなたが好きではないけれど、晴矢が好きになった人だから。



失恋って、こんなに辛くて、苦しいものなんだ。女の子の気持ちが少しだけ分かった。


「…少しでも女の子らしくなって、見返してやるんだから。ちくしょー」


そのとき可愛いって思っても、遅いんだからね。馬鹿晴矢。








お題 飴売り少女





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