遠距離涼南




――もしもし、晴矢?起きてるかい。
急に悪いね。え?いや、特に用は無いんだけど。君の声が聞きたくて…はは、本当だよ。風邪とかひいてない?何も変わりはないね?君は危なっかしいからね、いや本当だよ。おかげで私は毎日気が気でないさ、何処かの変態みたいな奴に君がとられてしまわないかってね。ん?私は君以外に興味なんかないよ。…まさか、浮気なんてしてないだろうね…冗談だよ。でも浮気なんかしたら許さないよ?…うん。分かってるよ、少しからかっただけ。うん、うん。大丈夫だよ、ちゃんと食べてる。ああ、もう遅いし、そろそろ切ろうか。ごめんね、いきなりかけて。じゃあまた明日電話するから… 晴矢、



ワイヤレスラブコール



ぱちん、と携帯を閉じる。
時刻は夜12時過ぎ。いきなり電話をかけてきたから何かと思えば声が聞きたくなっただなんて、今日の昼間にも電話したのに。恥ずかしい奴。小さい頃から一緒にいて現在は恋人同士なわけだけど、今は遠距離中。風介がやりたいことがあって、地方へと行ってしまった。勿論寂しいけど風介がずっとしたいと思ってたことだから。オレは我慢できる。でも不安もある、なんせアイツは綺麗な顔をしているから、言い寄ってくる女も当然いるだろう。男同士だし、生活バランスも普通に食事をとらなかったりするから心配だ。


「(…眠れなくなっちまったじゃねーか)」


馬鹿風介。
電話は毎日してくれるし、メールだってしてくれる。でもやっぱり寂しい。風介の顔が見たい。思い切り抱き付いて、抱き締めてほしい。今度会えるのはいつだろう。


「(キス…したい)」


携帯と枕を握り締める。風介と色違いの携帯電話。ああ、会いたい。でも我慢。


(じゃあ明日、また電話するから…晴矢、愛してるよ)


オレもだよ。オレも大好き。
だからずっと待ってる。いつもお前の電話もメールも、抱き締めてくれるのもキスしてくれるのも。










お題 廃水

らぶらぶ涼南!



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