和解2

「ティーダ!」
スコールが声を荒げてもティーダは平然としていた。それどころか真っ直ぐにスコールを見据えている。普段からは考えられないほど真面目な顔でスコールを諭しはじめた。
「あのさ、スコールはセフィロス教授のこと嫌ってるけど、クラウド先生はあんなことをされても教授を嫌いにはなれないんスよ」
忌々しい話だがそれは何となく感じていた。クラウドの手前セフィロスを悪く言ったりはしないが、嫌悪しているのは知っているはずだ。だから互いにあまり話題に出さないようにしている。
「教授って先生の親みたいなもんなんスから」
それは違う。親だったらあんなことはしない。
「クラウド先生が特許持ってるの知ってる?」
「ああ」
「あれ、セフィロス教授が出願を勧めたんスよ」
研究に助言をし、特許出願の煩雑な手続きをしたのはセフィロスだとティーダは言う。それは将来に渡り少しでもクラウドの支えになればとの思いからなのだろう。
「出願料も貸してあげたって聞いた」
「随分詳しいな」
「全部親父の受け売りっス」
恋人と恩師がいがみ合っていることを気にしながらもそれぞれの性格を尊重して何も言わないクラウドは一人悩んできたことだろう。そしてあの件以来遠くなってしまった恩師との距離にも。
そろそろ潮時だろうとティーダは言う。これ以上セフィロスとの不仲が続けばクラウドはそれを気に病んで笑えなくなってしまうかもしれない。
「クラウド先生にはいつも笑っていてほしいんスよ」
それはスコールだってそうだ。隣で笑っていてほしいし、心配事は取り除いてやりたい。
「…仕方ない」
だがセフィロスを信用した訳ではない。何かあったらすぐにこのドアを蹴り破って中に入れるよう、スコールは腕を組ながら番犬よろしく仁王立ちをした。




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