パイロットが"消せる"ボールペン、フリクションボールを売り出す際、珍しがられるだけで終わらぬよう使用法の提案もして売り込んだ、と何かで読んだんですが、発売当時2007年の試し書き用紙やリーフレットには数独(数字を推理するゲーム、危うくはまるところだった)が紹介され、実用品の印象があまりありませんでした。
いいものを造れば売れる時代が過ぎ去り、話題になるものこそが売れる大衆/情報化社会において、売れ続けるには話題を提供し続けるか、やはり良質/実用を示すかしなければなりません。
発売から五年経ち
多色化もされたフリクションは一過性の話題に終わらずに済んだようです。
今回はその蛍光マーカー、フリクションライト。全6色、2008年10月発売、日本製? エコマークつき、使い捨て。
60℃で消え−20℃で復色する熱変色インクを用い、軸尾の消去ラバーでこすって摩擦熱で消します。ただ難点があって、
ピンクは沈んだ色合いで既存の蛍光ピンクから外れており、
黄色は明るいけれど完全に消色せずうっすら色が残ります。
また蛍光色はボールペンより復色しやすくもあります。
私は本に書き込まないので許容範囲内ですが、消えるからとフリクションシリーズを濫用できません。
単色だとひどい色に見えるピンクも、6色並べるといい色に見えますね。裏ぬけナシ。
6色セットはペン軸のロゴが全て揃ってました。これは人手で揃えてるんでしょうか。
夜店の店先を照らしてそうなキャップは、誤飲対策通気性キャップ。
ペン先は一般的なスラント型チゼルニブ。
筆跡を本品でなぞったとき、インクが滲むことがあります。
上から
ハイテックCコレトフリクションボールノックLFBK-23
皮肉にも競合品三菱ファントムUF-202 (三行め)の筆跡なら滲まない。
フリクションボールは優れものと思いつつも、ボールペンに消えないことを望む私はあれに実用性を見出しません。
しかし蛍光色は消えてもらって構わないので、これもいいんじゃないかなー、と思ったんですが蛍光マーカーの使用機会そのものが私には少なく、やっぱり無用の長物でした。
冒頭の、珍品扱いを避けたという記述をどこで読んだかすっかり忘れてたんですけど、どたんばで見つかった。
「消える」秘密は、“温度を記憶する”インクにあり - 日経BPnet
パイロットは熱変色"メタモインキ"開発を1975年から行っており、印刷や玩具分野で実用化(最も遅れたのが筆記具分野だった)、現在も関連会社パイロットインキが熱変色を応用したおもちゃを発売しています。