10Q 6
 16日朝、試合会場となる体育館がある敷地の一画、木々が茂る道に、ジャージを纏った誠凛バスケ部が集合していた。

 と、黒子や他の面々は、先日の練習試合の時とは違い、自分たちと同様ジャージを着ている白美の姿に驚く。

「試合に出ることは無いと思いますが、監督の好意で僕も選手として登録してもらったんです。怪我もそろそろいい加減、古くなって来ましたし」

「そうかよ」

 白美の話を、彼が復帰する日も近いと捉えた火神は、ものすごい目付きながらに嬉しそうに笑った。

「――信頼してねぇって訳じゃない、保険とでも思ってな」

 白美が一応黒子にそっと耳打ちをすれば、黒子は「わかっています」と小さく頷いた。


「全員揃ったわね!」

 リコは携帯で時間を確認すると、一同を見渡して笑う。
 火神除く選手皆は、これから始まる戦いに向けて、いきいきとした表情をしていた。

「いくぞッ!」

 日向の掛け声に始まり、リコを先頭に彼等は海常へと列をなして向かう。

 ただ、列の中で火神1人は、ものすごく怖い顔をしていた。

「また寝れなかったんですか?」

「ウ○ーリー」

「うるせぇ」


(Let's get moving !)

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