04Q 5
 翌日の朝、校舎の廊下や窓際がやけに騒がしかった。

「あ? 何の騒ぎだ」

 早速誠凛バスケ部のエナメルバッグを持った火神は、登校するなり窓に歩みを進める。
 そして、校庭にかかれた白い文字を見て、「ハッ」と笑った。

――日本一にします。

――全力で支えます。

 犯人が誰か等と言うのは、問うまでもない――、火神はじめ誠凛バスケ部にとっては、周知の事実だ。

「おもしろいからこれもありかな」

 リコも、自分の机で頬杖をついて微笑む。

 教室の隅で知らん貌をして本を読む黒子の制服の袖には、白い粉が付いていて。

 また、彼等のいる隣、1Cの教室には、それを眺めながら人知れず口角を上げる白美の姿があった。

 こうして、火神や黒子、白美をはじめとする一年生数人が、晴れて誠凛男子バスケ部に本入部を果たしたのだった。





[意思表明どうしましょう。アイディアないですか]

[校庭に石灰で文字を書くのは?]

[……流石です]


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