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いつからか、私はひとりぼっちになった。


悲しくて、寂しくて。


誰にも見られない場所で声を殺して涙を流す。



みんな、私より先にいってしまった。







今日も空を彩る無数の星、あの輝きが生まれたのは遥か昔。


私たちが想像も出来ない昔、当時の人々もこうして夜空を見上げただろうか。


そして、私が見上げた夜空を誰かも見上げて、誰かもあの星に手を伸ばしているだろうか。


そんな奇跡があるなら、




「なにしてんだ、お前」

「カル、ディア?」

「こんな夜中にうろうろしてたら、またシジフォス辺りが心配するだろ」


ふと木の影から現れたのはカルディアで、誰も来ないお気に入りの丘で彼と会うのは何度目だろうか。


誰にも知られていないはずなのに、彼ら黄金聖闘士たちには何故バレてしまっている。


穴場な為、場所を変えるつもりはないが、あまり見付かりたくない。


「どうせ、泣いてたんだろ」

「なっ、泣いてなど………」

「バーカ、」


カルディアは一言そう言い、なまえの側まで近寄り、そのまま隣に腰を落とした。


彼の行動に目を見開いてるなまえを横目で確認し、彼女があからさまに泣いていたような雰囲気があったことを悟った。


カルディアは小さく溜め息をつき、先ほどなまえがやっていたように空を仰いだ。


「アルバフィカは、どこにいるのでしょうか」

「は?」

「アルバフィカだけでなく、私を以前守ってくださった黄金聖闘士、それに………私を生んでくれた母親に家族。一族のみんなも…」



カルディアと同じく空を見つめているなまえは、きらきらと輝く星に手を伸ばす。


掴めるわけではない、だけど下から見上げると手のひらに星屑が乗っているように見える。


きっとそのひとつひとつに、誰かの魂が宿っているかもしれない。


その魂は誰のものなのか、探しても考えても思い浮かぶのは今まで出会った大切なひとたち。


「…………」

「私は、ひとりぼっちになりました、家族も故郷ももう……」


あのひとつひとつの星を見つめては、記憶の中に眠る大切な人たちと重ね合わせる。


そうでもしないと忘れる気がしたから。


大切な人たちを忘れたくはない、


忘れないことが彼らと唯一繋がっていることを表しているから。





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