※ レコードキーパーで、ある人のことをフレンド召喚をするたびにクラウドが思うこと


 クラウドは『彼』を召喚するたびに言葉にできないような、言葉に詰まるような、そんなやるせない気持ちになる。
 クリスタルの記憶は確かだ。徐々に明らかになっていく過去を「思い出し」て、クラウドは辛い気持ちを隠しきれない。パーティのみんなは違うのだろうか。それを聞けるほど、クラウドは強くもなかった。いつだってソルジャー・セフィロスに憧れて、彼を追っていた。それは懐かしい記憶のはずなのに、彼をクリスタルの記憶の力のお陰で、召喚することができる。それによって瞬間、セフィロスが乗り移りその力を使うことができる。強力な闇の力を。片翼の黒羽根がはらはらと落ちていく様を見るたびに、ここでもまたやるせない気持ちになる。セフィロスを超えるのは無理なのではないか、という思いが胸の辺りをモヤモヤとさせる。倒したことを覚えていてもなお。
 どうしてだろうか。クラウドは何度だって過去に気持ちを遡らせる。今はメテオもないというのに。あのとき、セフィロスを確かに倒したというのに、それでも持てない自信というのは笑えないものだ。セフィロスの記憶を呼び覚ますたびにこんなことを思っているだなんて、パーティの誰も気づいてなどいないだろう。もしかしたらこれこそが、魔坑エネルギーを浴び続けた副作用なのかもしれないな、と思えるほどに気弱になっていた。そんな自身を鼓舞しながらクラウドは新しいパーティメンバーたちの顔を見た。彼らはあまりにあっけらかんとしていて、こんなふうにモヤモヤと悩んでいるのが馬鹿らしいとも感じられる。それはそうだろう、クラウドとセフィロスとの因縁のことも知らないメンツばかりだ。ティファやエアリスもそこにはいない。ふ、とクラウドは鼻で笑った。
 こんなふうに複雑な気持ちになるのにも関わらず、それでもセフィロスの記憶を握ってバトルに出るのはきっと、彼に少しでも彼のような伝説のソルジャーに近づきたいからなんだろう。セフィロスに届きたいからなんだろう。それが人間の能力でないと分かっていても、願ってしまうのが人というものなのだ、とクラウドは身に染みて知っている。また、強さだけを求めることは 破滅を呼ぶと分かってもいる。
 自分ではない誰かの記憶を借りて、セフィロスを呼び出しながら思う。こんなに簡単に、彼を呼び出すことについて。それは、開けてはいけないパンドラの箱を開けることに、どこか似てはいないだろうか。彼のことをみんなは軽んじていないだろうか。敵であろうとも、彼を誇りに思う気持ちは消えない。それが一般的な意見としてはおかしなものだとしても。セフィロスとのパーティを組むことはないのだろうか、と心の隅でクラウドは願うのだった。



17.06.13

レコードキーパーをたまにやってると、ふっと湧くんですよねw こういう小ネタ。まあつまらんとは思うんですけども、シリーズやってると思うことがあるんですよ。キャラも出るし。ただそんだけですwww

ラブ要素やなにやらはありませんよ。
セフィロス×クラウドの人多いですけど、わたしは得意ではありません。見るのは、まあ多いんで見慣れてますけどね。
私的には、裏切られた憧れ、って感じでいいんではないかなぁと。でも7もだいぶ前にやったんで話忘れてる。またやろうやろうと思いつつ…ww

二回やったのは10と5くらいか。

2017/06/13 21:54:41