ノエルのテーマをイメージして書いた
歌詞や曲はリンク先にあります。
(AF700年の滅びの町、ノエルやユールがいた村の辺りで流れるやつ。ボーカルとピアノサウンドが物悲しい…)
初FF13-2文



愛とか恋とかそういう感情じゃなくて。ただ、護りたいと思って、強く願ったのはきっと、互いにすべてをさらけ出した瞬間以降まではもっと薄っぺらい気持ちだったかもしれない。
 ノエルは、何度も何度もユールが、そう、自分が知っているユールではないけれど、それでも同じ見た目、同じ声、そして同じように彼女がほほ笑むから、それをどうやっても、何をしてでも護りたいと願った。そのためにヴァルハラへ行ったのだ。もちろん、こんなことになるだなんて思ってもみなかったけれど。当然だが女神エトロの手足となるライトニングと会うなんてことも想定していなかった。それだけに、もはやありのままを受け入れるしかない。その思いしかなかったのだ。わけも分からず必死でしがみついていた。生と、ユールの記憶に。そうするしかないと強く思ったのは、もちろんライトニングがカイアスと闘っていたからに他ならない。もしライトニングがカイアスとやりあっていなければ、ノエルはライトニングを信じるまでに長い時間を要したかもしれない。信じるに値するなにかがない。結局はこうなったのだろうけれど。
 ノエルが驚いたのは、まず、セラがまったく時詠みについて分かっていなかったことだった。ノエルたちが生きていた時代は、時詠みの力は必要なもの、否、選ばれたものの力として認識されていたから、当然みんなが知っていた。けれどこの時代はちがうのだということが分かって、それはショックだった。そんなことがあるのかと。そんな時代があるのなら、ユールがどうして時詠みとして生まれたのだろうか。憤りしか感じなかった。こんな想いから、ライトニングはセラを頼むといったが、いまいち気持ちが乗らない。そもそも、ノラの連中も含めてのん気すぎる。生きるか死ぬか、そんな世界に生まれ落ちたノエルとしては面白いわけもない。
 だが、セラとともに旅をしていると、やはり人間というものは弱いと思わざるを得ない。「情が移る」、きっとこういうことなんだろうな。ノエルはこころの中でひとりごちた。そう、理由なんて分からない。ただ、セラを守りたいと思えた。その気持ちはもちろん、ユールに向けるそれとはちがうものだけれど。だが、とてもあたたかな、そして、なつかしい気持ちだ。
 それを実感として認めたのは、やはり自分にとっての過去について、セラがそれに触れたことだ。もちろん時を超えないとあんな思いはできない。それはライトニングがくれた、俺とセラの時の旅。それが何よりも重い事実で。分かち合えるなんて思わなかった。俺の心の中を覗いてほしいなんて願わなかった。人なんだから想いなんて隠しておきたいことだってある。悪い考えがもやもやと出てくることだってあるからだ。そういう汚いところも含めて、俺たちは人間なんだけど。触れられた過去からは、悲しみと喪失の感情しかなかったとセラは感じた。それを包み込む何かでありたい。セラはそう思っただけだ。それは愛や恋ではなく。ただ、セラという人と、ノエルという人との心の中だけの、目に見えないつながりに過ぎない。目に見えないものだからこそ、大切なものはある。大切と思うのは、心だ。互いの、心がシンクロしたから、だからこそ大切と言い切れる。
 ノエルがユールに向ける気持ちは、最初は純であたたかな恋心だったように思う。けれど、カイアスと、ユールと一緒にいることでそれは徐々にべつのなにか、それは使命感を伴ったなにかへと変わっていった。それを単純に愛などと名付けないでほしい。もうこの気持ちは好きとか嫌いとか、そういうものを超えたどこかにある。護るというのは嘘じゃない。できるかできないかはべつとして、だが。結局は何度もなんどもユールがさまざまな時を経て、時を詠み、そして死んでいく。未来を視て命を落とす。何度もその光景を見て生きていくことがどれだけノエルの胸の奥を刺すというのか。涙など流したところでむだだと知ってもなお、流れるのがばからしい。そこにはまだ、薄っぺらな恋の気持ちだって捨てきれずに抱き締めているけれど、それはきっとユールに言うことがかなわなかったから、忘れることができないだけなのだろう。今は、そんな自分の気持ちよりももっと先を見て護らなければならないものがある。カイアスですらやり遂げられなかったことを、ノエルが。それは、時詠みを護ること。天命を全うさせること。詠んでしまわないように。
 だが、エトロの心臓が止まったことで、未来は変わってしまった。崩壊は始まってしまった。セラは死んでしまった。

 ユールの死を何度も乗り越えて、来たのはカイアスとライトニングのいる、ヴァルハラ。
 ライトニングとノエルの気持ちはどこまでもシンクロしていた。今護りたいのはセラの命。セラ自身。どうして彼女が時詠みにならなければならなかったのか。先を視たものに例外なく訪れるのは死だけだ。ならば、せめて幸せな、みんなの笑顔が視えていてほしい。それは、ノエルが仲間と信じて、護りたいと願った彼女への最後の想い。カイアスの黒い羽根と、ライトニングの白い羽根だけがノエルの視線を覆う。見えるはずのないカイアスの羽根が、ノエルの心にまとわりついて離れない。無限の絶望を生きるしかない。ノエルは女神の心臓を、強く願いながら、その羽根の黒さを消したくて、目を強く瞑ったのだった。どうにもならないと分かって。


15.10.31

前に書いていた(1年ちょい前に書いてたみたいです。当時まだクリアしてなかった13-2をがんぱってやっていたんですね。まだシークレット見てませんけど、動画で見ちゃいました。う〜ん、だからゲームがんばろうって気がしなくなるんだよね、今の世の中)ノエルとセラの絆の話。当時の気持ちを忘れていましたので、今チャラっと13-2ED動画とか見て、一応終わらせました。雰囲気は明るいのに、すごく暗いゲームだったんだよね。そして、セラのおっぱいがなんかつくりものっぽい(DLC買っちゃったけどwww)。
かなりむずかしい話みたいだし、13は結構ゲーム的には好きだったので、またやってみたいけど、まずはライトさんリターンズだよね。そしてすべて新品で買ってるのにクリアするの半端なく遅いんです自分。ライトさんリターンズは町で迷うからやめちゃってるし。。
またFFにハマりたいなぁ。最近やったのは5でした。うん、さすが自分w
2015/10/31 13:35:41