キスなんて恋愛してなくてもできる。飲み会のデモンストレーション。今時流行りのキスともってのは意味が分からないけれど、ギャグとか罰ゲームなら理解はできる。ファーストキスなんてそんなに意味のあるものじゃないし、とかいいつつちゃあんと覚えてるものだけれど、愛だの恋だのというモヤっとするものよりも確かにチュッとできてしまうものなのは認める。
 それでも。
 それでも、イザしてるときというのは相手のことを大事にしてるつもりでやっているというのが笑える。そうでもないとわかっていながら、相手は自分の女と思いながらキスしているという気持ちと行動の矛盾。その離れながら相手が夢うつつの心持ちで目を開ける様を見ていた。つと唾液が飲み込み切れず寧々の唇から滴る。薄桃色に染まった頬のすぐ下方で厚めの唇が笑みの形にほころぶ。
 過去にこんなオイシイ場面があったろうか。もちろん女と寝たことがないわけじゃないが、ここまで女の側から欲されのはこれまでない。生まれて初めてのラッキーだと禅十郎は思い返す。寧々が下から縋るように身を寄せてくる。触れた身体は火照って温かい。弾力のある身体に魅せられる。これが早く触れてくれとねだってくるのだ。
 抗えない。禅十郎は全面降伏した。潔く。足を開かせて熱が溢れそうなそこを見る。指でワレメを広げると、そこは肉厚でじゅわりと汁を滴らせた。焼いてないけど。それを舐め取る。びくりと寧々の身体が跳ねる。それを抑えるように片足を押さえて股に顔をうずめる。舌先を尖らせてワレメを舐めると、何度でも身体はヒクヒクと脈打つようにうごめく。
 濡れていた。溢れてくる。それを舐めとる。中まで見たいと思う。奥まで暴いてしまいたい。ワレメを左右に開くようにして、桃色の内側を見つめる。ぬらぬらとした赤っぽい桃色の粘膜が、禅十郎を呼び込むかのように誘っている。内側に届くはずのない舌先をのばして舐めながらその周囲を吸う。
 電気の灯りの中、寧々の体毛の一本一本すら、見ようと思えば目に焼き付けることもできるほどだ。そんななかであられもない格好をした寧々は、禅十郎の舌先に翻弄されている。荒い呼吸だけでは足りなく、堪え切れない声も漏れている。ちらと見れば尻の穴の下にまでも雫が滴っている。よほど欲しがっているのだろう。太腿の裏側に流れ落ちる粘液を、禅十郎は尖らせた舌で舐めとった。ここまで濡らせた相手だ。入れたくて堪らない。寧々の奥のおくに入り込みたくて堪らない。男として生きていてよかったと思う瞬間だ。禅十郎は腰を上げ、寝間着の前を寛がせる。下着は洗った後に今は乾かしている途中である。つまり、禅十郎は下着などなかった。ということはつまり、そういうことで。
 そそり勃った欲望は痛いほどに張り詰めている。欲の蜜を滴らせて、禅十郎は寧々にのしかかるように唇を奪った。これまでよりもずっと激しく。唇と唇を離すと、離れたくないといわんばかりに唾液の意図がひく。名残惜しいと唇も思っている。唇に意思なんてないのだけれど。寧々が禅十郎の下の方を見て、身体を強張らせた。その態度は明らかで、目も泳ぎがちになっている。下着、っていうかトランクスは履いていないけれど。まだ、アソコを露わにもしていないんですけど。禅十郎はその寧々の態度にはたと気づくことがあった。起ち上がったそこの存在を知っていても見たことのない女。それってもしかして。
「寧々、お前……もしかして、…処女?」
 不良ですし。あんなエロい見た目してますし。今日なんて女体盛り見せてくれましたし。すべてが信じられないほどの驚き。だが、寧々の生娘を隠しきれない態度について思わず禅十郎はたと問う。寧々は、本当に微かにかすかに小さく頷いた。顔を縦にちょっと振るだけ。男を知らない女子高生の姿を禅十郎は驚きの表情で見つめる。これ以上、行為を続ければ当然行き着くところまでいくだろう。もちろん相手の寧々もそれを望んでいる。好きだと、大好きだといった。それは、男冥利に尽きるというものだ。だが、単純にその言葉を信じるには、納得のいかないことが多い。そもそも、どこが好きだっていうんだ。JKから見たらただのオヤジだろうに、と禅十郎自身が思っているのだ。素っ裸で肌もアソコも晒して待っているこの女が、早くしてと目を潤ませているだなんて。しかも、まさか相手が処女だなんて、誰が信じられるというのだろう。寧々は強張りながらもいう。
「いいの、禅だから。いいの。ううん違う、禅が、いいの。」
 驚くほどの殺し文句。禅十郎はくらりと眩暈がした。どうしてこんないい女が教え子だったりするのだろう。魔王がいるのなら神も天使もいるのだろう。ソイツらを恨むぜ。
 禅十郎はもう一度寧々に覆いかぶさるようにして、髪を撫ぜ軽くまたキスを落とす。まぶた、ほっぺ、唇へと。そして寧々に布団をかけてやり自分は背を向ける。どこかへ行こうとする禅十郎に、寧々は慌てた。どうしてここまできて、彼は自分から目を背けてしまうのだろうか。やはりバージンだなんて言わないほうがよかったのだろうか。きっとそうだ、そんなもの早くなくしてしまえばよかったのだ。こんなに思う人が背を向けてしまうのなら。慌てて身を起こして声をかける。縋るような叫びに近い声になっていた。
「待って!どこいくの?!」
 涙が混じる声に、禅十郎はちらと目を向ける。必死の形相だ。けれど禅十郎だって必死だ。もはや洩れ出した理性が溢れ出しそうだった。これ以上、寧々の裸を見ているわけにはいかない。欲なんて大きくなるだけだ。出すものを出してしまえば収まることも分かっている。だから有無を言わさず告げる。
「便所」
 色気も素っ気もない、飾り気なくて実に潔い言葉だった。


 便座を立ててペニスを出したときに、コンコン、と寧々が禅十郎のことを呼ぶノックをしてきた。気がまぎれる。ドアの向こうから寧々がいう。
「どうして……」
「どうしてもこうしても、…俺はやらねぇよ」
 あそこまでしておいて。やるもやらないも殆ど変わらない状態だったのは認める。出したモノをゴシゴシ強く扱く。あれだけ我慢したのだ、すぐにいくだろう。
「身体は、大事にしろってこった」
 女の子なんだから。その大事にすべき身体を思い起こしながら手の動きを早める。こうすることで欲で汚してると分かった上でなお感じる男の性は、一度勃ち上がればどうしようもないのだった。やがて、便器の中に白い液体をぶち撒けた。イカ臭い空間は好かないけれど、生理現象なので致し方ない。全部出てムスコが小さくなるように、絞るように擦る。出すものを出してから小便も出せばスッキリするし、キレイなものだ。

「うおた」
 禅十郎は驚きで変な声を出した。トイレを開けたらそこに寧々がいた。べそかいてる。布団を被った姿なのでその中は絶対裸だ。せめて服を着てからこいよと思ったけど仕方ない。頭を撫ぜて抱き寄せる。このくらいは仕方ないだろう。ギュッと抱く。
「なに泣いてんだ、ヘッドだろ」
「好きだから」
「はあ?」
「禅が、すきだから」
 なんか全部、藪蛇なんですけど。顔を見ないようにしてそのまま抱き合った。特に意味はない。ただ、泣いてる寧々を放っておけない。それだけだった。それは教師としてなんだろうか。男としてなんだろうか。聞かれても、きっと答えることなんてできないだろう。たぶん後者だって心の奥でドクドク流れる血潮レベルで分かっているから。


14.12.17

新しいバイトを始めたのでちょっと創作休んでましたw
少しずつ書いていたものをちゃんと形にしました。やらなかったよw やらなかったww

相変わらず文章はぐちゃぐちゃでへたくそですけど、みなさん大丈夫でしょうか?ついてこられる??
ひどかったらなんだかすみません。

まぁもちろん終わらないんですけど、このシリーズたらたら続きそうですよ。話の速度がむちゃ遅いですから。なんというか、話よりやらしさも結構がんばってるつもりなんですけれど。イマイチだろうか…。
ちなみに、「これで上手く行ったらサイコーだよなぁってシチュ」のつもりで書いてたり。男の性と女の性の違いとかって書いてて楽しいところだったりもします。詳しくないけど、深いなぁって思いますよ。
2014/12/17 23:08:06