夕暮れのなか、ひゅうひゅうと冷たい風の吹くなか、師走の冷たさにうたれながらずっと、ずぅっと待ち続けてきた。かの人を待つ。待ちながら、耐える。冷たさとか、心細さとかそういうことではない。ちゃんといえるだろうか、自分の思いを。胸に秘め続けて、ずっと隠し続けてきた。それは出会って少ししてから気づいた熱い気持ち。それを押し隠していたけれど、隠しきれないところまできていたのだと、いつしか気づいてしまった。分かってしまったから、もう無視なんてできなくなった。好き。すき。大好き。アタシの、胸がどくんどくん、と高鳴って。そんなの勝手なことだというのに。どうして、その人なんだろうかと、何度も、自分自身の運命を呪った。どうして? それは、手が届かない人だと思ったから。好きなの。すき。大好き。どうしても、それを伝えたい。いいたい。可愛いなっていってほしい。キスしてほしい。いろんな妄想が頭のなかを駆け巡る。好きだから欲張りになる。欲張りたくなる。それを伝えようと思ったのは、冬休みという長い休みに入ってしまって、それを過ぎれば学校はあるけれど、もうすぐ卒業なのでほとんど数えるくらいしか登校しなくていい。つまり、その人に会う回数も減ってしまうというわけだ。だから、今日いいたいと思った。すき、と正直に、まっすぐに、強く。
 その人が現れたのは日も暮れてからのこと。もう沈んだ夕日も見えない。けれどその人のことは薄ぼんやりした灯りでも十分に分かる。いつも見てきたから。すきだから。会いたいと願っていたから。声をかけてくれるから。
「なにしてんだあ?」
 いつもみたいにぶっきらぼうな言葉をかけてくる。誰かだなんて、分かっていないのだろうけど。パッと灯りの当たるところに出たら驚いた顔をしたのがその証拠。
「聞いてほしいことがあって」
「相談か? なんだなんだ、いってみろ」
 息を飲んだ音がしんとした辺りに響く。寒いと音が響くような気がするのはたぶん気のせいなのだろうと思うけれど、そんなに間違いじゃないような気がする。きっと、勝手な思い込みなんだろうけど。
「アタシ、……すきなの」
「んっ?」
「す、すき…」
 いった。ちゃんと、きっと、彼に伝わった。驚いたような顔をしている彼のことが見えた。すき。ただそれだけのことをいうのに、どうしてこんなにもドキドキして、そして、その意味がわかるようにしないといけないんだろう。彼はもういつもの顔に戻っている。
「クリスマス、一緒にいて」

14.11.27

誰とかまったく書いてないなw
これはひどいwwwww

ぼちぼち誰と誰のはなしか分かってくる話です。エッチなのもあります。
何回かは続きます。
あんまりおもしろくないかもしんないけど、気になった方はよろです。
2014/11/27 22:18:02