聞こえる。歩け、動け、と誰かが呼んでいる。強く、つよく呼ばれている。だが、それが誰なのかは分からない。自分たちは、遥かむかしに滅ぼされてしまった。悪魔がやってきて、それに抗ったけれど、人間ではだめだった。少しづつ、すこしづつだが滅びゆく彼らの記憶が蘇る。初めに体を動かしたのはヒデトラだった。隆々とした筋肉質な身体かなにかから解けたようにゆるりと動き出す。見渡す限りの廃墟と、石になった人、ひと、ヒト。だが、ヒデトラは呼ばれていることが気になっていた。周りの石像にされた人たちを助けるより先に、自分の体が動くうちにやらなければならないことがある。ヒデトラは動き出す。ヒデトラを起こした、その誰かに会わなきゃならない。長い年月が経ち動きづらい体をなんとか動かして、その呼ぶ声へと聞き耳を立てる。もしかしたら、その呼んだヤツがみんなの力になってくれるかもしれない。自分のことを助けてくれたように。
「誰だ? あんたは……」
 どこにいる誰かもわからないソイツに声をかける。だが、返事はない。懐かしい音がする。これはなんだったろう。遥かむかしに植えつけられた生きろと命じるかのような、強い音がヒデトラのこころに火をつける。それは仲間を探せといっている。音でしかないそれが、何を伝えたいのか伝わってくる。初めての感覚だった。ヒデトラはフラフラと歩き出した。ここはイシヤマ。仲間がいっぱいいるはずだ。くまちゃん学園の藤に滅ぼされたこの町のなかに、きっとヒデトラの仲間が石になって待っているはずだ。
 ヒデトラが歩く町のなかには石になった人間と、人間が消えたせいで朽ち果てた廃墟しかない。たまに見かける生き物は、飛ぶ鳥だったり、迷い犬や迷い猫だったりする。食べられるものもない。死の匂いすらしない。生の匂いは当然ない。まだ走る力はない。体力と呼べるものはなかった。ほんとうならタツミがいれば手っ取り早いのだろうが、イシヤマが壊滅した以上、彼は生きてはいないのかもしれない。そんなことを思うとふぅっと意識が遠のきかける。だがヒデトラはなんとか踏ん張った。記憶だけを頼りにして、彼は神社のまえにいた。
 ヒデトラの記憶がたしかなら、ここにはアオイがいるのだった。アオイを起こそう。ほんとうに起きるのかどうかなど、起こしてみるまで分からない。ただ分かることは、彼らはあまりに長く石になりすぎた。早く立ち上がって、くまちゃん学園をなんとかしなければならない。これだけだ。建て付けの悪くなった戸を開けて、石になったアオイのジジイを見つけた。
「おきろ、ジジイ!」
 アオイの姿はないが、ジジイの形をした石を揺さぶる。この音が聞こえないのか。起きろ、動け、歩けといっているのが。わずかにパリパリと亀裂が入ったかと思うと、アオイのジジイが目を見開いた。
「なんじゃと?!」
 そうだ。これは神の呼び声なんだ。


14.11.17

パタポンまじおもろいからみなさんやってくださいw

たぶんオガはかみさま、もしくはヒーローマスクなんじゃないかとw
これ続き読みてえ!ってヤツいたらおもろいなw


あんまり面白すぎて1やりながら3やってます。2は何年越しにクリアしたのでそれ以外のクリアできてないやつをね。えーと、リズムアクションなんですが、へんなゲームです。
日々記す日記に書いてるかと思います。


パロネタは割と苦手だが、こういう意味で石化を使えるとは思わなかったなww

2014/11/17 20:23:42