※ だめなひめかわ夫妻


「ん、は……っ、おっきく、な…た」
 座り込んでたのしそうに咥え込む女の長いまつ毛をぼんやりと見下ろしていた。女の舌はとても気持ちがいい。竜也はこれは困ったことになったと、快感のなかで思った。しばらくセックスなどしていないからきっと溜まっているというのもあるのだろうが、相手はフーゾク嬢みたいなテクを持っているのも事実だ。薄れゆく理性がピリピリと薄皮を剥がすみたいにゆっくり、でもたしかに一枚ずつ剥がされていく。敏感なところばかり緩く責めてくるこの女は、男の性についても詳しいのだろう。ジュルリと音を立てて竜也のなかから溢れた透明の汁を吸い取る。薄桃色の唇がそれを舐め取る。相手の女は看護師の服装をしていて、しかもここは病院の空き個室。相手は看護師で間違いないが、めくり上がったスカートから出る太腿は、看護師とは思えないほど色香があってやはりフーゾク上がりなのではないかと思うほどに艶っぽい。メイクも夜の仕事の女かと見間違うほどだ。
「もうイク? イっちゃう?」
 口を離してゴシゴシとそこを扱いて最後のスパートをかける。こうして抜いてもらうなどと思っても見なかった。看護師を見るといやらしい気持ちになってしまうかもしれない。注意しよう。竜也はそんなことを思った。先端に気持ちよさの塊が溜まった。背筋になにかが走る。あ、いく。声にならない呻きを洩らしながら竜也は看護師の口のなかで達した。熱っぽい目の看護師と目が合う。キスしたい。女がいう。竜也の体液で生臭いのでどうかとは思うが。どちらともなく唇を寄せ合う。女の唇からは仄かにタバコの臭いが香った。あまり気のいいものではない。これは浮気になるんだろうか。クリントン元大統領がオーラルはセックスじゃないから大丈夫だと言い切っていた。どうでもいいことを思い出して、竜也は思考停止した。これは逃げだよな、そうだな。
「また、出したくなったら言って?」
 男というのは出したあとは気が弱くなる。目は太腿を見ているというのに。男の性というのは、どこまでも股間に振り回されてばかりいる。困ったものだ。竜也はふと看護師の胸元に目をやる。ふ、と鼻で笑う。
「まさか、お前とこんなことすることになるなんてな」
 女が微笑んだ。それは冷たくて、だが欲望にギラつく目をしているけれど。
「続き、非番のとき外でね」
 きっとこの女ならばむちゃくちゃに犯しても、受け入れるのだろう。それとは違うが、石矢魔高校出身のものが看護師になれるだなんておかしいのではないかと思った。頭の悪さは半端じゃないはず。胸につけたプレートの名前は見知った名前だった。『鳳城林檎』。まだ未婚なのだろうか。竜也は肩を落としながら、病室に向かった。もちろん妻の病室にだ。もうすぐ子供が産まれるわけで、現在は入院している。そこの看護師とこんなことをしていいはずがない。これを知ったら潮はどんな顔をするだろうかと後ろめたい気持ちになるばかりだ。それならば、そんなことをしなければよかったのだ。だが、気持ちよかった。これも事実で、二つの思いを抱えながら見舞いに向かった。

愛よりセックス



14.11.17

前から考えてたネタだったりします。
前っていっても最近だけどね〜

妊娠中の浮気っていうのはありがちで、まあそのときだけなんで奥さんも何もなくスルーしちゃうってのが常套ですw これは生理的に仕方ないことでもあるので(女性の側からしても)許してやれよと思ってしまう自分はだめか?だめなのか??w


タイトルは借りてますけど、なんかパッとしてませんね。。合わないって〜か。うーん、、でもとりあえずあげておきます。ちょっと短いですけれど。

タイトルicy
2014/11/17 16:31:35