※ 魔界から帰ってこない男鹿を待つ葵ちゃんと古市の話


 古市がある人と付き合っていて、それについてどうしようだなんて真面目に悩んでいる。こんな恋愛って本当にあるのかと驚くばかりで、葵は言葉を失っていた。ちなみに、男鹿はここにいないので、その間、葵は古市と付き合いがあった。魔界とつながっているのもあるが、男鹿と同じ腐れ縁だ。寂れた石矢魔のバーで二人で飲むのだけれど、葵と古市との間には友情以外のなにものもない。
「俺のこと、なんか言ってました?」
「聞いてないけど。古市くんのことは」
 古市の恋人の相手は寧々だ。古市は一つ上の寧々が卒業する時に、強引に告白と恋人の座を奪った男だ。その時の様はなんだかとても微笑ましかった。どうしようもないほどに追い詰められた古市が、なんと卒業式をやる壇上で大告白をした。ドタバタと品のない足音を立てながら古市は壇上に駆け上がった。ハゲ校長から卒業証書をひったくり、寧々の目の前に立って。
「卒業おめでとうございます! 俺の手から渡したかった! 俺と付き合ってくれないと、これ渡しません! だから、ハイって言って下さい!」
 寧々は分かった、と言って古市から卒業証書を引ったくった。そんな幕切れから数年、二人は意外にもうまくいっているらしい。結婚までこのノリで決めてしまうのだろうか。葵はある意味では恐ろしくなった。そして近頃、寧々から古市の話なんててんで聞かない。
「男鹿のことなんですけど、正月に帰るとか言ってました」
「…そうなんだ」
 葵は男鹿のことが高校生の時からずぅっと好きだ。忘れられない。彼に代わる人なんていないと思って、彼の帰りを待っている。魔界という、人には手の届かないところに彼はいってしまったから、待つしかできない。時折、古市を通じて様子だけ伺っているだけのこと。男鹿はきっと葵のことをどうこうなんてきっとないのだろうけれど。それでも待ってしまう一途さに、自ら呆れてしまう。
「告ったら俺はうまくいくと思うな」
 そう古市は言うけれど、古市と寧々みたいにそううまくいくことなんて、この世の中で滅多にないことではないかと葵は思うのだ。
「ところで、プロポーズするのって、早いですかね?」
「ええっ?!そんなに進んでるの!?」


14.11.03

思いつかなくて、古市と寧々の話をばw

ちょっと告白エピソードがおもろいかなと思ってあげてみた。
葵ちゃんネタにするにも、古市がメインになりそうでやめた小ネタです。古市は私的にラミア相手があうから、最初はそうしよって思ったんだけど、ちょっとやめてみたww


こんな古市の話読みたいとか、思う人はたぶんここのサイトには来てないんではないかと思うけど、まあこういうんも書けるんで、こんなん読んでみたいかもネタがあれば、たまに声をかけてつかぁさい。
2014/11/03 21:28:48