※ 先輩×メガネ な妄想フラウ坊

※ ホモはファンタジーなのだそうです



 カイトはスバルの病室に向かった。そろそろ会いたくてたまらない。他の誰にも会わないことを祈る。カツンカツンと高い音を響かせながら、足早に彼は歩く。きっとスバルもカイトに会いたくて仕方ないハズだ。もともとカイトはゲームばかりしている格闘ゲーマーなので体力に自信なんてない。少し走るとすぐ息が切れる。それでもカイトは構わなかった。スバルに会えるのだから。だが嬉しい顔を見られるのもシャクだ。カイトはつとめて冷静さを装ってドアをノックした。何度か来たこの冷たい廊下とねっとりと絡みつくような病院の嫌な空気は、スバルを見るとすぅっと嘘みたいに薄れていく。それほどに愛おしい。
「はい」
 スバルもスバルだ。誰が来たか、むしろカイトが来ないかと待ち焦がれているのにそんなことをおくびにも出さずいつもどおりの冷たい感情のこもらない声しか出さない。
「俺だよ、スバルくん。お見舞い」
 そういいながらカイトはドアを開けた。たまらず顔が笑ってしまう。喜びに口角が上がってしまう。それを隠すためにちゃんと後ろを向いてドアを閉めた。ベッドの側でカイトは立ってスバルを見下ろした。
「ねぇ、どうよ?」
「どう…って何がですか。時々、先輩は意味がわかりません」
 スバルはいつものようにメガネの位置をくいくいと神経質に直しながら尖った声を出す。
「俺が来て嬉しいくせに」
「にゃっ…、にゃにをいうんでしゅかっ…!!」
 スバルは少しでも焦ると、わかりやすくいうと図星があるとすぐに吃る。噛む。実に分かりやすくてそこが可愛いとカイトは思っている。にやりと笑って怪我している後輩を言葉でチクチクいたぶる。それが楽しい。愛しさの裏返しなのだけれど。
「うれしくないんなら、俺はべつに帰るけど?」
「なっ……?!」
 そういってカイトがくるりと踵を返そうとするから、スバルは追いかけられない足をもどかしく思いながら声を掛けるしかない。それしか止めるすべがないから。せっかく来てくれたのに。嬉しくないはずなんてない。正直でないとカイトはすぐにそっぽを向いてしまう。恥ずかしがりのスバルにとっては厳しい現実だが、認めるしかない。声を詰まらせながら、スバルはいう。
「八汐先輩、ま、待ってください…!う、嬉しくないはずが、ないじゃないですかっ!行かないで、ください」
 それを聞いて嬉しそうにカイトは笑って、戻って来てスバルの頭を、よくできました、といわんばかりた撫ぜた。早くもスバルは涙目で、顔は火が吹きそうなほど真っ赤に染まっている。
「そういう顔すると、かっわいいよねぇスバルくんは、さ」
 カイトはそのまま寄り添ってスバルの額にチュッと音を立ててキスをした。驚いたようにスバルが顔を上げる。まさか病室でそんなことをされるとは思っていなかったからだ。いつもこんなことできるのは、カイトの部屋ぐらいしかない。お互いに生まれて初めてできた、愛おしい恋人。


「デュフフ…、やっぱりセン×メガネ萌ゆる。テラエロス。薄い本にすべき」
 神代フラウはBLの素晴らしさをたぶん目上の先輩である淳和に語っていた。押しの弱い彼女のことだ、洗脳は容易い。しかし悲しいかな、フラウの言葉は2010年頃の──つまり10年ほど前のことになる。──ネットスラングばかり多用する、ある意味時代遅れの存在であるのでほとんどは何いってるか淳和には理解できていない。それがもどかしいし、何よりフラウはひきこもりであるし、腐女子であることも手伝って、結構なコミュニケーション障害の当然あるタイプなのだ。通じる言葉を使うというよりか、ただの妄想の垂れ流しだ。現実問題、海翔と昴は恋人でもなんでもない。ロボ部仲間なだけだというのに。フラウの脳内はほんとうにひどい。煩悩にまみれていて、それは108なんかじゃ全然足りないほどひどい数だ。うぞうぞとムカデみたいに歩ける煩悩。これには男も女もいいも悪いも関係ない。


 くちゅり。
 二人が深いキスを始めるまでそんなに時間はかからなかった。カイトの舌はスバルの歯列をナゾって凸凹もザラザラもすべて、ゆっくりと味わい尽くす。これだけでスバルの息はすぐに上がってしまう。赤く染まった頬は、とても色っぽくてやらしい。何かいいたげにしてるのでカイトは口を離す。唾液の糸が二人の間に垂れる。それを慌ててスバルが啜った。チュルチュル、と濡れた音がする。
「なぁに、スバルくん。感じちゃった?」
「先輩…、ここ病室、ですよ」
「いいんじゃない?俺たちしかいないでしょ。スバルくんが大きい声出さなければね」
「な、何をいうんでしゅかっ…!!」
「だってスバルくん感じやすいじゃない」
 嫌がるふりをしながらスバルは感じていた。言葉で追い詰められる気持ちよさをカイトに教えられてしまった。だがそれを認めるのはやっぱりシャクだったので、プイと顔を背けて。
「服はあんまり脱がさないよ。看護婦さんとか、来たら対応できないでしょ」
 構わずカイトは病院着の裾からスバルの素肌にゴソゴソと手を入れて、その素肌にふれてしまう。早くも温まった素肌は熱をたたえていて、もっとさわってほしいとカイトの手にじゅわりとなじむ。そこに着いている胸の飾りを両手の親指で押し潰すようにクリクリと刺激してやり、耳を舐める。
「く、うっ、だ、めです…!せんぱっ…」
 声を殺そうとして息だけを荒くする。
「スバルくん胸弱いよね。エッチだね」
 カイトはクスクスと笑いながらそんなことを軽くいう。とても意地悪だ。そういうふうに仕向けたのは誰のせいだ。スバルは心の中だけでひとりごちた。
「溜まってるでしょ? もう勃ってる」
 いちいち言葉にされるのはとても恥ずかしい。服の上からやわやわとそこを揉む。もうソコは固くなっている。ほんとうは欲しくてしかたないのだろうけど、直にはさわってやらない。欲しいと懇願するまで。カイトはそうやって言葉と焦らしの行為でスバルを嬲っていく。


「でも神代さんって、あ、あたしはよく分からないけど楽しそうだよね…」
「お、♂」
 字が違う──もちろん、読みは分かるな? 空手先輩にかけてあるのだ。──ことについては放っておくことにする。この二人は意外にもまったく合わないわけではない。学校に行かなさ過ぎたせいでフラウは追試を受けている最中だ。その追試がダメだった。ボロボロでさんざんの結果だった。よく考えたら勉強をする気はなかったのだ。高校など卒業せずともフラウほどのプログラムの腕なら買う大人たちはいるだろう。それより、勉強をしている時間を妄想に費やしたくてたまらないフラウは勉強を捨てたというだけのことで、再追試を受けろと言われたのだ。その勉強の手伝いに淳和が手をあげた。珍しく、淳和から歩み寄ったというわけだ。
「でも、…追試、がんばろ?」
「萌えないのでダメぽ」
 萌えない、というのも淳和にしてはわからないのだが、どうやら今日フラウが淳和に向けて熱を持って話しているのは、たぶん八汐くんと日高くんのことだ。二人はあまり歩み寄らない。けれど背中合わせなのだと淳和には見える。そして八汐くんとあき穂ちゃんは付き合い始めた。それを微笑ましく見守っているのだろう。そんな話を少し前に1号機くんのいる辺りで、少しだけ日高くんと話をしたことがあった。そのとき日高くんは「古郡は八汐先輩のことが好きなんじゃないかと思いますけどね。そんなに驚いた顔しなくても…。僕はそう見えてましたけどね」なんて言っていた。それもしばらく前のことで、どこか色褪せた感じはする。まだ日高くんの足がなんともなかったときのことだ。それを思い出すと、今でも淳和は泣きたくなる。許してくれた日高昴という存在が、どこか胸に苦しい。
「よく、あたしは分かんないけど……八汐くんは、なんか、数学って感じ。で、日高くんは、化学っぽい、そういう感じ、しない?」
 フラウは電撃にうたれた。ような気がした。ビシリと体を震わせて、瞬間、ときが止まった。ような気がした。
「き、き、キタコレ科目擬人化とかコレ萌えんじゃね? しかも先メガでいけるとかおいしすぐる。空手先輩の言葉だけでご飯三杯いけますありがとうございます」
「え?え?え…?」



「あっ…、だ、れか来たらど、うするんです、か…っ」
 スバルは全身で反応しながらさらに呼吸を荒げている。すっかり起ちあがったソコを舌で転がしながら、ときに舌先で裏筋をナゾったり敏感なところを指でいじくったりする。その度に押し殺した声が色っぽい。もっとガマンさせたくなる。ベッドがカウパーでヌルヌルになってしまうくらいに。そんな気持ちでカイトはスバルを攻め続ける。
「大丈夫だよ。スバルくんが声出しちゃったら、分かんないけど」
 やらしい音を立てて透明な汁を吸う。その感覚に全身を震わせて。だがこの利かない足はどんなときでもスバルの邪魔をする。そのままカイトは足を担ぐようにして、スバルの身体を少しだけさらに深く横にならせる。そして丸見えの下半身に顔をうずめ、蕾に舌をやる。カイトの舌がスバルの中でクチュクチュと蠢く。そのたびに電撃に侵されるような鋭い快感がスバルを襲う。
「腰、動いてるね」
 あざといところを見られた気持ちで、スバルは黙り込む。もうこんなことなどしていられない。感じることを忘れたい。スバルは賢明に頭の中で化学記号を唱え出した。それはいつの間にか口にもでていて、呆れたような顔をしたカイトが見下ろしてくる。
「スバル。まったく、こんなときにまで勉強とか、色気ないにもほどがあるって感じだね。俺、萎えちゃうよ」
 ただただ、この快感に流されまいとしていただけなのに。スバルは熱でどうにかなりそうな蕩けそうな気持ちよさの中で必死に縋る。このまま放置されたら気が狂いそうだ。もういつの間にか理性なんて飛んでいて、恥ずかしいことも知らないうちに口にできている。それがいつもの二人のパターン。
「先輩…、や、やめないでください! ぼ、僕は気持ち良くてどうにかなりそうで…っ、怖くてそれで…」
 不意にカイトの唇がスバルの唇にやさしくふれた。フワリとした気持ちを伝えるためのキス。どこか切なそうな顔をしたカイトのことが、スバルはとてもいとしいと思った。もっとキスしてたい。
「冗談。俺のだって、こんなだよ。膨張率120%ってところかな。通常の3乗、なんてね」
 スバルの太腿にカイトのアレが当たる。これ以上ない位固く大きくなっている。それだけでジンワリと溢れてくるこれからの期待。スバルは目を見ていった。
「入れていい?」
「はっ…はい。あの、ゆ、っくり、お願い、します……」
 カイトはゆっくりとスバルの中へ入っていった。




「ほんとうは、分かって、るんだよね…? 神代さんは」
「♂!」
 あまりやる気はないようだったが、フラウはそれでも一度、淳和がへたくそに説明したことについてサラリと解いてしまった。頭はいいようだ。だが当人にやる気はないだけのこと。あまり淳和の補習は意味がないかもしれないが、先生に頼まれた以上、それを全うするだけのことだ。あまり学校に興味を持たない彼女だったが、ロボ部には力を貸してくれたし、どうやら彼女から拒んでいるわけではない。だから淳和は近寄ることが、歩み寄ることができたのだ。
「明日も、がんばろうね」
「だ、だ、だが断る」
「えっ…? 神代さん……」
「うっ、ウソですジョーダンです、泣くな空手先輩」
「じ、じゃあ…、明日もよろしくね」
 きっと接点などまるっきりないだろう二人は、不思議なことにそう相性が悪くないようだ。明日もちぐはぐな授業は続くのだった。


14.9.26

マンガでちょっと描きたかったネタ

先メガとやらはずーっとフラウの妄想です念のため。わざとBLっぽくなるように、でも、書き方というか行なんかは私ふうですけど(他とあんまり浮いても困るし)ぬるーく書いてますよ。
まあネタなんで、ギャグとして。なんだこれって感じで。ゲームとしてフラウすきだが、実際こういう子がいたら友達にはなれないだろうとは思います。
なんでもてめぇのネタにしちゃうのちょっと怖いっす。他人巻き込まなきゃいいとは思いますけど、振りまくからねw ボカロPと変わらないですね。
まぁこういう人は苦手だが、べつに嫌いというわけじゃないので妄想はオナニーみたいに一人でしましょうねってだけの話ですwww

あとは言葉通じてない感が、なんだか途中から楽しくなりました。ホモシーンは最後まで書かないし、直接的な表現削りまくりで、ほぼ何してるか分からなくなったしw
まぁBLとか考えないようにして書いてたしw ニュース見ながらテキトーにポチポチしてたんれす。てこの文章アホっぽいなww



ちなみに、現在興味が一番あるのは角界(逸ノ城とデーモン閣下w)とプロ野球(パリーグ1位ソフトバンクのマジック消えたから4タテ楽天に決めてほしい)とか完璧に数日で終わる話、しかも内容おっさんですからね。

2014/09/26 15:35:20