※ HERO連ドラ記念w(またかよ


「ねーねーナルホドくん! 昨日のHERO見た?」
「ああ、見たよ」
 何を隠そう成歩堂龍一は弁護士である。あの人気ドラマときたら第一回目の放映で、民放ドラマでは6年ぶりの平均視聴率26.5%を叩き出したという快挙、とくに昨今のドラマの不人気と月9の低迷などものともしない怪物ぶりに、ナルホドも驚いていたところだ。やっぱり世の中には人を救うヒーローみたいなものが必要なんだなぁと感じる。弁護士のナルホドを支えてくれるテレビ好きの綾里真宵ことマヨイちゃんが、ミーハーまっしぐらにナルホドにドラマの話を振ってくるだろうことは分かっていたが、やはり少しココロが痛む。もちろん真逆の立場にいるからだ。
「メンバーが総入れ替えじゃなくて、良かったよね」
「あの、足を使った捜査ってヤツ! ナルホドくんみたいだよね!」
「そ、そうかな…?」
 そう言われるとナルホドとしても悪い気はしない。ただ、弁護士と検事は対極の立場だ。そういう意味では複雑だとしか言いようがない。こんなドラマが流行るんだから、ミツルギのことがちょっぴり羨ましくもある。ナルホドは苦笑するしかなかった。
「有罪が確定するまでは、あくまでもその人は犯罪者じゃないんだ。そして、その人が無罪だというのなら、僕らはそれを信じて、それの裏付けのために動くしかない。そういう意味では、検事も弁護士も一緒なのかな」
 死んでしまったマヨイの姉であり、ナルホドが師と崇めるチヒロのことを想った。彼女の思想はナルホドにも受け継がれている。
 そんなナルホドの想いとは裏腹に、マヨイは好き勝手にああだよねーこうだよねー、とHEROについてあれこれ語っている。しかも、トノサマンが貼ってあったポスターを剥がしてからすぐに、雑誌のコピーを引き伸ばしたようなお粗末なHEROのキムタクが印刷されているものを貼ろうとしている。弁護士事務所にこれを貼るっていうのはどうなんだろうか。だが、こうなってしまったマヨイを止められる自信が、ナルホドにはなかった。複雑な想いは、もはやギャグでは済まされなくなっている。ナルホドは溜息を押し殺した。
 と、不意打ちのように事務所の電話がけたたましく鳴る。うわ、と情けない声をあげるのはナルホドだ。数日ぶりの電話に、家賃を払ったかどうか、電気代、水道代など、光熱費のことが瞬時に頭に浮かんだ。売れない弁護士の悲しい話だ。そんなナルホドの心配をよそにマヨイが電話に出てしまう。
「はいっ! ナルホド法律事務所です」
 ナルホドの気持ちはハラハラしっぱなしで気が気でない。そんなことを露ほども知らず、マヨイははいはいと短い返事を繰り返している。大丈夫なのだろうか。そのすぐそばでキムタクのポスターが笑みを浮かべている。検事は苦手だ。
「分かりました!伝えます!!じゃ、よろしこ」
 もはやなりきりの世界になってしまった。電話を切るマヨイに恐る恐る尋ねる。何の電話だったのかということを。
「やったねナルホドくん、お仕事だよ!」
「え、そうだったのか」
「頼んできたのはヤッパリさんだって」
 これはまずい……。矢張政志、ナルホドの同級生でトラブルメーカーの女好きという男である。彼の依頼ということは、弁護してくれる弁護が見つからなかったか、面倒ごとに巻き込まれたのだろう。悪い予感しかしなかったが、概要を聞きに行くことにした。マヨイが勝手に受けてしまったからといって、それをないがしろにするつもりなどない。ナルホドは立ち上がって弁護士バッジの付いた青いジャケットを羽織る。
 僕はHEROにはなれないけれど、売れっ子弁護士になるのも難しいけれど、それでも無罪だという人を救わなければ。無罪の人が有罪にされてしまう、おかしさを変えていこう。自分たちなりでいいのだから。


15.07.16

またHEROネタですw
まだ逆転裁判は3の途中までしかやっていないのでメンバー古いんですけど、オドロキくんは評判悪かったから(笑)

まぁあり得ない検事がクリウなら、あり得ない弁護士はナルホドでね。
どちらかといえばクリウvsナルホドのゲーム欲しいくらいです(笑)私は子ども。
そんなこと思いましたよ、HERO見終わってから。チラッと。どうでもいいけどカプコンさんコラボしてくんねぇかなー…。
「異議あり!」じゃなくて、
「ちょ待てよ!」で決まり(ホリ)。


仕事っていうか、真実を知りたいんです。ってスタンツすげー好き。正義とか悪とか、それは後から決めるからまずは本当のことを知りたいっていうね。
それが正義につながるなんてヒーローっぷりだよね。どっちもそうだと思うんだ、逆転裁判にしてもHEROにしても。

ナマモノやるつもりはないけど、ちょっと入れ込むことがあるので注意、ですね。野球の話とかさ。

2014/07/16 09:46:44