「転校生かー、どんな子だろ……」

「ま、マカより大人しくて女の子っぽい子がいいよな」

「……マカちょーっぷ!」

「いてっ!」

朝、そんな会話をしているのはマカとソウル。
横ではキッドやリズ、パティ達も転校生の話で盛り上がっていた。
ブラック☆スターに関してはもうすでに教室の中にはおらず、校庭に駆け出し転校生が来るのを待っていた。
椿は横で困ったような笑みを浮かべているだけだった。

「ひゃっはー!転校生という存在イコール、俺様より目立つ!早いうちに勝負して俺様がビッグだって事を転校生に見せ付けなきゃな!」

そんな事を校庭の中心で叫んでいるのに誰も注意せず、寧ろ窓から眺めている生徒達が増えてきていた。
そんな生徒達もどんな転校生が来るのか楽しみで仕方がないのだろう。
皆がわいわいと転校生の話題で盛り上がっていたその時だった、
……一瞬の、風が吹いた。
それと同時に校庭の中心にいたブラック☆スターの目の前には1人の少女が。

「始めまして、転校生の聖剣エクスカリバーです!」

キラッという効果音が付きそうな笑顔と決めポーズで、聖剣を名乗る少女は周りにいた人皆の注目の的となった。
ただ1人、ブラック☆スタ−は不思議そうな顔をして固まっているようで、聖剣と名乗る少女をまじまじと見つめていた。

「この前、洞窟に行った時はヘンテコな姿だったよな?」

「聖剣だから見た目なんてちょちょいちょのいです!」

「本当は女だったってか……」

「まあねっ、それより私は貴方なんてどうでも良いいの。
 とにかく愛しのキッド君に会いたくてわざわざ入学の手続きまでしたのよ!」

ビシッとブラック☆スターに指差し、横を駆け抜けて教室へ走る自称聖剣。
さすが聖剣といった所だろうか、瞬間移動でもしたのかというぐらい早くに教室へと着く。

そいてドアを勢いよく開き、教室にいる人の顔を見渡すとすぐに「聖剣エクスカリバ−ですっ!みんな、よろしくね!」と先程ブラック☆スターにしたような、決めポーズと笑顔を振りまいた。



始まりは突然に
(それでは自己紹介がてら私の伝説を話しましょう!)
(((うぜええええええ!!)))