選択 | ナノ

僕には「君を守る」なんて格好良いこと言えない、言えないから

息つぎをするだけの酸素の通り道
君の心臓を堪能するよ
どうせただの喉にすぎない

深呼吸の隙間から
見えない生命線
優しい動揺
その程度の裏切りだから

もう混ぜないで、真っ黒になってしまう
(その色は混ぜてはいけない)
色水が染み込む頃は

君がつけた爪痕を舐める
(そして、笑う)

息をしなければならない
君が死ねば、私は息をする必要がない

私だけを守ってみせて
それからこの手を握ってごらん

君を守るなんて、格好良いこと言えない



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