・きっとこれが恋なんですね /bsr/片倉

私、あなたを愛しているんです


何を。お戯れはよしてくだされ舞花様。


どうしたら私と結婚してくださいますか?
そんなに私には魅力がないでしょうか。


いやいや、舞花様はとても素敵な姫でございますよ。
そうですね…
大きくなっても、私のことを好いていてくれるのであれば結婚いたしましょうか。


本当ですね!!
絶対、約束ですよ!!!


えぇ、きっと。





懐かしい夢を見た

片倉小十郎様、私の初恋の相手。

あぁ、きっと幼い私にわかるように、言葉も簡単なものにしてくれていたんだな、とか。
そうか、多分背伸びしていた私が拗ねることのないようにしてくれていたのだな、とか。


また彼の紳士的な一面がわかってしまい、更に惚れてしまう。


全て私の思いであって、本当のことではないのだけれど。


多分きっと大丈夫だと思うよ




これ以上に怖い言葉を私は知らない。

不確定過ぎて常に危険がつきまとうよう。

きっと、私はずっとこの言葉に振り回され続けるんですね



もし、だったら頑張ろうと思える


むしろ否定的な言葉だったら潔くなれるのに。




どこまでも’きっと’は続くのです。











私の幼少期は本当に何もなくて、彼に一直線で。


きっと私はこの人と結婚するんだと信じて疑わなかったのだけれども。

でもね、片倉様?


姫である私が大きくなったら、決定権もなにも持つことができないんですよ?


知っていますか?


ねぇ、片倉様。


きっと、そんな昔のことなんて片倉様は覚えていないんだろうけれども。




白無垢に身を包み、これから未来への道を歩くのに相手の人以外の人を想うのは絶対に不純であるけれど。



きっと、私は忘れることができないのです。


大丈夫、きっと私はあなたへの想いを忘れます


けれど、せめて今は


式が始まる前までは、あなたのことを、愛しい人として想っていてもいいですか






ーーもし覚えているのであれば、もう一度、名前を、あなたの声で、呼んで欲しいです。

優しく、舞花、と。






きっと、これが恋なんですね。

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