小説 | ナノ
×××は一日一時間

「まただ…」
研磨が落胆の声を上げたのは、手の中にあるゲーム機の液晶がひとりでに消えてしまったからでした。

何年か前の誕生日に両親から贈られたそれは、研磨にとっての貴重な遊び相手の『一人』です。
折り畳み式の、つるりとした白い長方形の箱。それを開けば、蝶番を挟んで縦に並ぶふたつの液晶画面が現れます。下側の液晶は、専用のペンや指で画面を直接触って操作をすることが出来ます。その他にも、マイクを使った入力機能や、簡単に使える通信機能など、魅力的な要素が詰め込まれていました。テレビでしきりに宣伝されるそれを、研磨は両親にねだりました。研磨がわがままを言う事など初めてだったので、両親は大層驚きました。
かくして自分の元にやってきたそれを心底大切そうに抱き締めて、初めの晩などは枕元に置いて一緒に眠りました。朝も夜も時間があればそのゲーム機で遊び、褒められたものではありませんが、学校にも毎日持っていきました。文字通り隙あらば、という様子で彼は様々なゲームを遊び、クリアしていきました。そんなに頻繁にソフトを買ってもらえる訳ではないので、一つのゲームを繰り返し遊んだり、彼なりに楽しさを見つけていきました。

そんなゲーム機の挙動がおかしくなったのは、昨日の夕方のことです。学校が終わり校門を出た瞬間に、研磨はランドセルから取り出したゲーム機の電源を入れました。さすがに歩きながらゲームをするほどの度胸はありませんが(数年後にはするようになるのですが)、電源を入れてさえおけば『すれ違い通信』という機能で同じゲームを遊ぶ見知らぬ人とデータの送受信が出来るのです。その通信をすることでアイテムや経験値が手に入ります。ただ電源を入れておくだけで多少なりとも遊んだことになるなんて、夢のような話です。
無事に起動したことを確認し、ゲーム機を体操着袋にしまおうとしたその時でした。突然背中にどすんと衝撃が走ったのです。研磨はよろめき、ゲーム機は硬い音を立ててアスファルトに投げ出されます。
「ごめーん」
大きな声に振り向くと、身体の大きな上級生が研磨に謝りながら、数人の仲間と立ち去るところでした。話をしながら歩いていて、のろのろした研磨に気付かずぶつかってしまったのでしょう。研磨はほとんど動いていない微かなお辞儀をし、ゲーム機を拾い上げました。つるつるだった本体にところどころ傷がついてしまいましたが、電源ランプはきちんと点灯しています。傷がついたのは悲しいですが、全く遊べなくなるよりはずっと良いです。ほっと胸をなで下ろし、こんどはしっかりと体操着袋にしまいました。

帰宅し手を洗い、自分の部屋で再びゲーム機を広げます。ですがカラフルな世界が広がるはずの液晶画面は真っ暗です。さきほどの悲しい事故が頭を過り、どきどきしました。でも、あんなことで壊れる筈がない。自転車で轢いてしまっても動いた、という話を聞いたのを研磨は思い出しました。きっと体操着袋のなかで擦れて電源が切れたのだと言い聞かせ、再びスイッチを入れます。でも、動きません。そうだ、充電が切れているのだ!机の引き出しから充電ケーブルを取り出して本体に挿し込みました。充電ランプが点灯するのを確認し、ふたたびスイッチを入れます。ぷつ、という音のあとに、聞き慣れた爽やかな起動音が流れてきました。
ほら、やっぱり!
液晶はいつも通りにゲームの世界をうつし、研磨もいつも通りに遊びました。落とした時に付いた傷も、直に気にならなくなりました。
そうして一時間ほど遊んだ頃、ばつん!と突然液晶が真っ暗になりました。驚きに呆けた顔の自分が反射するのみです。
「わ」
焦って、またスイッチを入れなおします。きちんと起動しました。だけど、またしばらく経つと勝手に消えてしまいます。
せっかく進めたゲームデータが無駄になってしまう悔しさと、もう遊べないかもしれないという苦しさと、自分の不注意で壊してしまったという罪悪感が研磨の小さなあたまの中をぐるぐる渦巻きます。そしてついに、なんど電源を入れなおしても微動だにしなくなりました。
その日は至極重たい心持で夕食を食べました。家では小食な研磨にちょうどいい量のおかずしか出ませんが、いつも以上に箸が進みません。デザートのくだものをいらないと言うと、母親が心配そうに具合が悪いのか尋ねてきました。お腹がいっぱいなだけと誤魔化して、お風呂に入って、眠りました。本当なら土曜日である明日は一日中ゲームで遊べる予定でした。しかしそれも憂鬱な日に変わってしまいました。

翌朝、目覚めてすぐのぼんやりとした頭でゲーム機の電源を入れました。習慣というのは恐ろしいものです。スイッチを入れてから昨日のことに気付き、また気が重くなりましたが、ぷつ、という特徴的な音のあとに、聞き慣れた爽やかな起動音が流れてくるではありませんか。画面もクリアです。
もしかしたら直ったんじゃないか?
そのままさくさくと、だけどこまめにセーブをしながらゲームを進めていきます。やっぱり、普通に動いています。もうお昼も近いです。今日はこのまままたずっと遊べそうでした。よかった、よかった。
暫くすると母親が部屋のドアを開け、研磨を呼びました。昼食の用意が出来たそうです。顔を上げることもせずあとで食べるとだけ言うと、母親は呆れたように階下へ戻っていきます。これで夕方までは邪魔も入らないでしょう。研磨は嬉々としてベッドに寝転びました。
それから少しして、また液晶画面が暗くなり始めました。軽快に流れていたBGMもぷつりと止まってしまいます。慌ててセーブをしようとするも間に合わず、ついに真っ暗になってしまいました。
「まただ…」
研磨は額に手を当て、ゲーム機を脇に投げ出しました。電源ランプはまだ点灯しています。もう本格的に駄目になってしまったのかもしれません。
「あー…」
こんな状況では昼食を食べる気も起りません。宿題や他の事をするのも嫌になって、そのままふて寝してしまいました。

ぷつ、という小さな音で研磨は目を覚ましました。開かれたまま傍らに転がっていたゲーム機が、ふたたび起動するところでした。ああ、やっぱりもう馬鹿になっている。研磨は諦めの目で液晶を眺めます。ところどころ表示の欠けた液晶にうつったのは、見慣れない画面でした。
『けんまくん こんにちは』
黒い画面の上に白い文字だけが表示されています。テキストを送るためのボタンも、特にありません。今遊んでいるソフトの雰囲気とも、ゲーム機自体の雰囲気ともどうにも違っています。首をひねると、その文字がすうっと消え、次のテキストが表示されました。
『いままで、たくさん遊んでくれてありがとう』
『ぼくはもうすぐ、動かなくなります』
故障を知らせるメッセージのようでした。胸がずき、と痛みました。眉を寄せる研磨を余所に、テキストは続きます。
『きかいのぼくを、きみは友達のようにたいせつにしてくれました。ぼくはとても、うれしかった』
『ただのごみになっても、ぼくはきみを忘れないよ』
おれも、忘れないよ。白いゲーム機をやさしく撫でます。初めてのゲーム機でした。"彼"は研磨をあらゆる世界に連れて行ってくれました。あらゆることを教えてくれました。"彼"がいれば、ゲームを通じて他人と関わることだって出来ました。
『きみがぼくを好きでいてくれたように、ぼくもきみのことが大好きです』
『だから、さいごにおねがいを聞いてほしい』
おねがい?と首をかしげます。次にゲーム機を使う時はもっと大事にしてくれとか、そういうことだろうと研磨は思い、あまり深く考えずに頷きました。


ベッドの上に座った研磨は、向かい合ったゲーム機の"おねがい"に従っていました。パーカーとTシャツは脱ぎ捨てられ、上半身だけ裸の格好です。唐突に『ぬいで』と言われて驚き一度は拒否しましたが、『ぼくだって、好きで動かなくなるんじゃないんだよ』と小さく圧をかけられたら抗えなくなってしまいました。
『かわいいよ、けんまくん』
テキストには感情を表すような記号などは全くありません。それでも彼が喜んでいるのが分かりました。彼の人生最後のおねがいです。聞いてあげれば幸せな眠りにつけるし、研磨の罪の意識も軽くなることでしょう。
でも、どうして服を脱がなければならないのかは理解できません。変わらず首をかしげると、彼は更に要求を重ねます。
『まずはおっぱいを、さわってみて』
『さあ、はやく』
急かされて、おずおず胸のところに手をやります。女の人の丸いおっぱいがエッチなものであることは知っていますが、研磨のおっぱいは残念ながらぺたんこです。そもそも研磨は男の子です。
言われた通りにぺたぺた手を当てていると、彼は焦れたように次のテキストを表示します。
『なでたり、ひっぱったりしてみて』
おずおず、子供特有のなめらかな皮膚を小さく撫でたり、控え目にひっぱったりしてみます。ですが少々くすぐったいくらいで、笑いが止まらなくなるほどでもなく面白くもなんともありません。それを察したのか彼の指示が少し変わりました。
『ちくびも、さわってみて』
右手の人差し指で、右の乳首を触ってみました。柔らかくふにふにとしていたそこは、つつくごとに徐々に硬くなってゆきました。
『かたくなったね。けんまくんはえっちだね』
研磨はそこで初めて、自分のしているのがいやらしいことであるのを知りました。それは、いけないことです。家族でテレビを観ている時に、水着をきたり、スカートが短かったり、ちょっとでもはしたない格好の女の人が出てくると、研磨の母親は「エッチなのはだめ」と言ってチャンネルを変えてしまいます。
ひゅっと息をのみ、慌てて指を離しました。ショックで仕様がありません。
『やめたらだめだよ。つづけて』
と促す液晶の文字にふるふると首をふります。はしたないことはしたくありません。すると彼は今までのゆったりとした態度を一変させました。
『おねがいを聞くと言ったのは、けんまくんだよ?うそをつくの?』
『うそつきは、もうあたらしいゲームはかってもらえないね』
『ろくにおともだちもいないのに、いったいなにをしてあそぶのかな?』
ポンポンと素早く並ぶ彼のひどい言葉に、研磨は傷付きました。同時に、本当にゲームがなくなってしまったらどうしようという不安にも駆られました。
『けんまくんがぼくのおねがいをちゃんときいてくれたら、あたらしいぼくはまたきっと、けんまくんのところにくるよ。やくそくする』
『けんまくんはいいこだもんね。できるよね?』
結局、言いくるめられてしまいました。おずおず胸の飾りに触れます。指示される通り、つまんでこすったり、まわりをなぞったりします。左側は、ゲームの操作をするためのタッチペンでつつくように言われ、渋々従いました。硬いペン先が、小さな乳首をむにゅむにゅ潰します。
『ほら、タッチペンをもっとはやくうごかして。えきしょうをれんだするときみたいに』
「…んっ」
『やっとえっちなこえがでたね。もっとだしていいんだよ』
「んっ、んん、やだっ…」
『ペンがおそくなってる。けんまくん、とくいだよね?もっとたくさんタッチしなきゃ』
「あっ、やだやだ」
嫌がっていても、研磨は手を止められませんでした。ゲームで遊べなくなることも嫌だったし、なにより研磨自身がエッチな気分になり始めていたからです。下っ腹のあたりがむずむずして、くたりと投げ出されていた脚を誤魔化す様に擦り合わせます。
『みてごらん、けんまくんのちくび、あかくなってるよ』
ちらりと盗み見ると、そこは彼の言うとおり赤く色を変えていました。
『えっちなおっぱいだね、おんなのこみたいだ』
「っちがう…!」羞恥でじわりと涙が浮かびます。どうしてこんな思いをさせられているんだろう。早く終わりにしたいと思いました。
『うそはいけないよ。もう、ずいぶんえっちなきもちになってる』
「…そんなの、なってない」
『おひざのおくが、むずむずしてきたね?』
彼の的確な指摘に、恥ずかしさで火照っていた頬が更に赤くなりました。そのむずむずもエッチなことであるのは、なんとなく認識していたからです。

ハーフパンツをずりおろし、むずむずの正体を知って小さく悲鳴を上げました。水色の下着の中で、おちんちんがおかしな形に変わっていたのです。布越しなのでよくわかりませんが、やわらかい布地をついっと押し上げています。
「なにこれ…」
『えっちなこのえっちなおちんちんは、こうなっちゃうんだよ』
「そんな…」
『だいじょうぶ、ぼくがもとどおりにしてあげるよ』
――ぼくが?
と首を傾げると、ゲーム機上側の液晶がぽこりとたわみ、同時になにかつるつるした感覚が研磨の肌の上を駆けめぐりました。ヒッと声を上げ、目を瞬いてもなにも見えません。ですが、形の定まらない不思議なかたまりが身体に乗り上げてくる感覚は確かにあります。
『安心して、ぼくだよ』
耳というよりは頭のなかに、若い男の声が響きました。それは“彼”の声であると、なんの根拠もないのに研磨は確信しました。
『けんまくん、ぼくはずっと、君に触りたかった』彼はやさしく語りかけながら、研磨の身体をするする這いまわります。首、肩、背中…触れられたところは風呂に入った時のように熱を増していきました。
「ねえ、なんか、変」
『……でも、嫌じゃないでしょう?』
という彼の問いかけに研磨は答えられず、黙って俯きました。それに気を良くしたのか、彼はうっとりとしたため息をつきました。
『ぼくに触れるやわらかい指の感触。それだけじゃない。顔も、腕も、脚も、髪も全部触ってみたかった。ああ…ああ、どこもすごくやわらかい。それにうっとりするほどすべすべだ。食べてしまいたい』彼は容赦なく全身を這いまわり、次第に研磨の頭はぼうっとしてきました。
「あつい、やだ」研磨が身じろぎして訴えると、ようやく思い出したように動きを止めます。
『ああ、ごめんごめん。そうだね、おちんちんを元通りにするんだった』

「うっうぁ…ん、」
『口を抑えちゃだめ。ほら、ちゃんとおっぱいを触って』
下着のなかに入り込んだ彼は研磨のおちんちんを優しく撫でたり、緩急をつけて握ったりして刺激しています。大人には物足りない、ごく緩やかな刺激ですが、まだ自慰も知らない研磨の子供おちんちんにはなかなか強烈でした。かわいらしいおしっこの穴から透明な液体が溢れて、下着を濡らします。研磨は研磨で、彼に指示された通りに平坦なおっぱいを揉み、乳首はタッチペンでぐりぐり弄り続けています。長めの黒髪はぐしゃぐしゃに乱れ、汗ばむ首筋や額に貼りついて“彼”の情欲を一層かき立てました。念のような存在である彼の姿は誰にも視認出来ませんから、もし研磨の母親がこの場面を見たら卒倒してしまうことでしょう。
「っひぁ…やだ…なんか、おかしくなるっ…」
『研磨くん、かわいいね。見てごらん、おちんちんからエッチなお汁がたっぷり溢れてるよ。こうしたら、もっとおかしくなっちゃうかな?』彼はふっと笑い、緩やかだったおちんちんへの刺激を強めました。小さな茎をきゅっと握って上下にしごき、まだ少し皮をかぶった先っぽは強めに撫でるようにします。
「あああっ、だめ、だめっ」
おなかの奥はぐっと重たくなり、背中がぞくぞくしました。それに加えてたまたまがゆれる感覚と、時折鳴るくちゅっという音が研磨の羞恥心を煽ります。
「だめ、やだ、やだぁ……」過ぎる快感に、タッチペンを握る手にぎゅっと力が入ります。ぶんぶん首を振っても、彼はちっとも緩めてくれません。おちんちんは熱い彼のなかでうごめき、たまたまもきゅっきゅっと形を変えています。
『ふふ、すごくエッチだ。やだやだと言う割に、けんまくんのお手手は止まらないね?おっぱい触るの好き?』
「ん…ちが、ちがうっ、すきじゃない」
『“ちがう”じゃないんだよ、気持ち良いんだよ。おっぱい気持ちいいって言ってごらん?』
「ぅ、そんなの、やだ…っ、できない、」
『ぼくと約束したよね?ほら、ちゃんとできたらもっと気持ちよくしてあげる』もっと、きもちよく…。それを想像すると、おちんちんからまたお汁があふれました。水音がぐちゅっと派手になります。
おっぱいをいじめる手つきはどんどん複雑になっていました。水着をきたエッチなお姉さんみたいに丸くふくらんでいるわけでもないのに、ぷつんと尖ったちいさな乳首がいまの研磨にはひどくいやらしく見えてしまいます。そんないやらしくてエッチでいけないものを、自分でさわって、揉んで、突っついて、気持ちいいと感じている。そのことに研磨はひどく興奮していました。
「あ…あぁ…っ、き、きもちい…」
『どこがきもちいのかな?』
「んんっ…えと…おっぱい…きもちい」
恥ずかしいのに、言いたくないのに、そんな言葉ばかりがくちびるから飛び出してしまいます。
『おっぱいだけ?』
彼はそう言うと、おちんちんに触れるのをやめてしまいました。突然熱を失い、研磨のおちんちんはぴくんと寂しげに震えます。
「なんで…」
すっかりスケベになってしまった研磨は、無意識のうちに腰をぐっと突き出しておちんちんへの刺激を欲していました。
『触ってほしかったらちゃんと言って?エッチな研磨くんはおっぱいとどこが気持ちいいの?』
「…ちんちん」
『ダメ、ちゃんとおちんちんって言って』
「も、もうやら…お、おちんちんも、きもちいい…」意地の悪い注文に、もう、半べそです。それでもおっぱいを弄る両手と、おちんちんから溢れるお汁は止まりませんでした。
「きもちい…おちんちん、きもちいい、」
『そうだね、けんまくんはおっぱいとおちんちんが凄くきもちいんだよね。もっと言ってみようね』
おちんちんへの刺激が再開され、研磨は細い腰をかくかく揺らして悦びました。
「ふぅぅ…んっ、おっぱいと、ぁ、おちんちん、んんっ…きもちい、きもちいよぉっ…あぁっ」
『言うこときけてえらいね。きもちいいっていっぱい言いながらいこうか』
「…いく?」
『そう。いくとね、とびきりきもちいいんだよ。ほら、言って?』
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅん!
「あっ!やぁっ、おっぱいと、おちんちん、で、へん、になるっ…ちくびぐりぐり、も、おちんちんぐちゅぐちゅって、するのも、も、あ、んっ、きもちいっ、」
ただしごいてもらうだけでは物足りなくなってしまったのか、気持ちのいい場所を探して腰をくねくねさせて感じ入っています。まるで大人のような色香に、彼はかわいいおちんちんを刺激してやりながらごくりと唾をのみました。
『研磨くん、すごくエッチだ。かわいいよ、研磨くん、僕の研磨くん…」
「はあ、はあ、んんっ、きもちいっ、あぁああ、あっ……ん!!」
全身がびくびく震え、全身に電流が流れるような衝撃を受けて研磨は絶頂しました。子供おちんちんはぴくぴく痙攣するだけで、射精はしませんでした。しかし下着にはぬるぬるのお汁でお漏らししたようなシミが出来てしまっています。
初めてのオーガズムという経験に衣服を整える余力もなく、疲れ果てた研磨はそのままこてんと眠ってしまいました。

ふわふわした夢のなかで、“彼”にありがとうと言われました。彼によって散々な醜態を晒した研磨ですが、遊び相手としてはすごくすごくお世話になったし、それに先ほどの行為もまあ確かに気持ちよかったは気持ちよかったので、少しぶすくれつつも「おれも、ありがとう」と返しました。研磨は案外に切り替えの早いところがあります。
彼はさようならと一言残し、消えていきました。表情は分かりませんが、研磨には穏やかに笑っているように感じられました。


およそ三週間後、研磨の手元には白くてつるつるの、傷もないゲーム機がありました。ですがこれは、新品ではありません。
あの後、彼は勇気を振り絞り、ゲーム機を壊してしまった事を両親に告白しました。原因も正直に話し、謝りました。ですが想像していたよりは叱られず、ほっと胸を撫で下ろしました。
父は一通りお小言を並べたあとにインターネットでなにやら検索をし、「修理に出そうか」と言いました。研磨は驚きました。ゲーム機の修理が出来るなんて知らなかったからです。
かくして傷だらけだったゲーム機は中身の修理と外装の交換を終え、研磨の元に帰って来たという訳です。ごはんに呼ばれたらゲームは中断する、とかそういうルールも追加されましたが、ゲームが全くできないのに比べれば大したことはないと、修理期間中の地獄の苦しみにより理解していました。
初めから修理がきくことが分かっていたら、おれはあんなことをさせられなくても良かったんじゃないか?そう思うと"彼"が憎らしくも思えましたが、彼はどうやっても研磨にとって貴重な遊び相手の『一人』だったのです。持ち前の切り替えの早さで、許してあげることにしました。


15/06/16
15/06/30


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RTS行きたい病がだいぶやばかった時に書いたものです。
モブクロ風俗話を書いた時にだいぶ懲りたはずだったのですがやはりこういうのも好きなので書いてしまう


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