×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



約束の日曜日。氷麗は花開院さんが来ると知っているためか自室に閉じ籠っている。私が声をかけても出てこないのでこの調子ではあの子たちが帰るまで部屋から出ることはないだろう。そんな彼女の襖には《大量冷気発生中!!》《絶対入ルナキケン 雪女》と書かれた紙が貼りつけられている。


私たちはそんな彼女の部屋の前で本家の妖怪達に詰め寄られてます。



「だから···若、姫。な〜〜んでワシらがそんなコソコソせにゃ〜ならんのです!!」
「人間の友達が来るから···かくれろだあ!?」
「はぁん!?」
「あのねえ〜ワシらは妖怪一家なんですがねー!!」



何言っても無駄ね。



「事情はわかるけど、頼むよ···君らのためでもあるんだ」



両手を合わせて律儀に謝るリクオ。そんな彼に妖怪達はさらに詰め寄りブーイングの嵐を起こす。



「ワシらは人間からおそれられてナンボ!」
「そいつらが何者だっちゅーんですかい!」



そんな彼らに私は髪を掻きながら視線を逸らす。



『陰陽師の末裔』



私の一言にピシリと固まった妖怪達。私とリクオが顔を見合わせると丁度ピンポーンとチャイムが聞こえた。私達は妖怪達を隠すために急いで家の中を走り回った。


ほとんどの妖怪を隠しきり門へと向かう。家中を走り回ったため息が荒いのは勘弁してほしい。



「ごめんごめん。遅くなっちゃって···」
『どうぞ、上がって』
「本当に遅いぞ奴良くん!!月影さん!!さっさと案内したまえ」



偉そうな清継くんにカチンと来て拳を握りしめた時、リクオが私の頭を撫でて落ち着かせてくれた。私が奴良家に居候しているのは皆知っている。家庭の事情で···と言ったら皆大変なんだね。と言ってくれて深く言われることはなかった。


まあ、深く聞かれなくてよかった···。



backnext