×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



放課後、私服に着替えたリクオに引き摺られるようにして私は旧校舎近くへと来ていた。家から出たくないと駄々を捏ねる私をリクオは無理矢理引きずってきたのだ。勿論制服姿で行こうとしたらリクオに怒られたのでちゃんと私服に着替えました。いつもの肩出しの服ではちょっと寒いのでその上からカーディガンを羽織ってきた。


私とリクオが何故来なければいけないのか、それは昼休み弁当を食べている私とリクオとカナの元に清継くんが来て「奴良君!!月影さん!!君たちは名誉隊員だ!!ほこりに思おう!!」とか言ってきたのだ。その時から揚げを食べていた私は思わず落としてしまった。


なんて嬉しくない。ありがた迷惑だ。


不機嫌な顔で腕を組む私の隣には人間に化けた氷羅がいた。浮世絵中学の制服を着ている。リクオはまったく気づいていないが。


てかなんで浮世絵中の制服持ってんだ?


すると私の隣に誰かが立った気配がして隣を向くと目を見開いた。私の視線を追いかけたリクオも彼女の姿に目を見開く。



『え?』
「カナちゃん!?」



そんな私たちに気づいたカナ。



「···なんで!?怖いの苦手なんじゃ···」
「う···うるさいな〜いいでしょ!?」



「神夜が行くと思ったから来ただけ」そう言いながら私の腕に自分の其れを絡ませるカナ。そんなカナはリクオに「リクオくんこそ何でよ〜」と問いかける。困りながら体を後ろに退くリクオ。


ワイワイと騒いでいると清継くんがカナとは逆隣にいる氷麗と青田坊に気づいた。



「やあどうも。ありがとう、来てくれて。失礼だが···名前は?」
「及川氷麗です!こーいうの···超好きなの!」



そう言って可愛らしく笑う氷麗に島くんが見惚れている横で清継くんが「歓迎するよ!」と氷麗と握手を交わす。


完璧人間だな、氷羅のやつ。


今だに見惚れている島くんの肩をガシッと青田坊が掴んだ。



「オレも好きなんだ。倉田だ」
「そ···そうすか!」

(もの好きもいたもんだ···)



目を細めながらリクオは青田坊と氷麗を見た。まぁ、リクオは二人が妖怪だって気づいていないからふつーの人間として物好きだなぁとか考えているんだろう。


そんな私達を置いて清継くんがここから旧校舎までのルートを説明する。


学校からはフェンスが高くて無理。池を泳いでいくのも無理。そうなると残るは本校舎と旧校舎の間にある道路を渡るしかない。



「片道二車線だから気を付けて!」
「ハイ!さすが清継くんっす!!」



島くんって清継くんのこと慕いすぎじゃないか?



「楽しみね!」



氷麗が隣にいる青田坊に笑顔で話しかけているのを後ろから見ていると隣にいるカナが顔を強張らせながら心臓を押さえているのが見えた。


怖いの苦手な癖に、何で来たのかしら···。


そんなカナを横目にリクオと顔を見合わせた。お互いの顔には不安という表情が見え隠れしている。



backprevnext