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十一



翌日。


私達は帰り支度を済ませるとすぐに菅沼さんの家を出た。行きと同じ道をたどっていく。



「······結局、昨晩も何も出会えなかったなぁ」
「でも品子さん···笑ってお礼言ってたし」
「なんか···元気になってたよね」



清継くんと巻と鳥居がそう話していると、三段の箱にたくさんのカニを詰めたものを持っている島くんが口を開いた。



「お土産のカニもこんなに貰いましたしね!」
『ウワッきも!!』
「島くん脚!脚が出てるよー!!」



思わず一歩引いてしまった私とリクオ。


清継くんは顎に手を当てながら口を開いた。



「まぁボクら妖怪ハンターが来れば邪魅も退散してしまうってことだね!」
「「清継くん、玄関で寝てただけじゃん」」
「いや〜〜〜急になんだか眠くなってね···」



清継くんにとっつく巻と鳥居。そしてそれに言い返す清継くん。まあ、あそこのメンツはいつもの如くワイワイしているのだが問題は私達の前を青い顔で歩いているカナだ。



「あの屋敷には妖怪・雪わらしが!!」



ドーンと音がつきそうな程の勢いで言ったカナにクスクスと私の隣で笑みを溢す氷麗。それを見て私は『つらら···何したの···?』と声をかけた。リクオが隣で「まさか···」と呟いている。


すると清継くんが大きな声を出した。



「よぉーーーーし、じゃあ早速帰ってボクの屋敷でカニ鍋パーティーだ。夏だからこそ!!そして次の妖怪ハンター計画を話し合うぞ!!」
「え!?もう次の!?」
「当たり前だ!!ノンストップで妖怪ハントだーー!!」



そう言って盛り上がる清継くんにみんながワイワイと声を上げる。それを後ろから見ていた私とリクオは顔を見合わせて笑い合った。



───まあ、これで邪魅の話は解決っと!



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