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いつものように学校を終え、部室に集まっていた時のことだ。



「さぁぁて、期末テストも終わってウキウキだねぇぇ」



いつものようにうるさいくらいの清継くんの声が部室に響いた。



「それはさておきこいつを見てくれ!!」



バンッと見せつけてきたのは清継くんのパソコン。それを私達は覗き込んだ。



『何······?メール?』
「何これ···「妖怪ハンター清継くんへ」〜〜!?」



怪訝そうな声でそう言う巻はメールの内容を読み上げた。


曰く、《清継くん!!助けて!!私の家に妖怪が出るの。夜になると枕元に立つのよ!!お願い···御祓いしてもどーやっても解決しないの。数多くの妖怪をハントしたという清継くんしか頼れないのよ!!》というらしい。私という辺り女の子か。



「清継くん何!?ハンターだっけ?大ウソぶっこいてんじゃん!!」
「こーした方が情報が入ってくることが最近判明したんだよ。多少の演出は必要悪!!悪!!」



もはや詐欺だな。



「まさか···この子助けに行くの?」
「イタズラかもしんないじゃん」



鳥居の意見に一票。



「その心配はないよ。この地域に伝わるとある伝説とも符合する部分も多いしね!」



「絶対何かあるよ!」自信満々にそう言う清継君に巻と鳥居はそろって非難の声を上げた。



「貴重な休みを〜」
「ちなみにそこには海があるよ」



そして簡単につられるのが巻と鳥居である。



「夏といえば海ーー!!」
「やった!さすが清継くん、ぬかりない」
「だろう!?だろう!?」



なんて単純なんだ。


そしてそんなノリ気な三人に声をかけたのはリクオだった。



「ちょっと待ってよ!!危ないよ妖怪退治なんて!!」



そんなリクオに鳥居と巻は「またリクオはー」「心配性ー」と声を上げる。



「どんな妖怪かもわからないのに···」
「いや···こいつはたいして危害を加えるような妖怪じゃないよ」



そう言った清継くんはその妖怪を調べたページを開きながら答えた。



「その妖怪の名は“邪魅”!!」



邪魅···?



「こいつはメールにもあるように枕元に立っているだけ!!おそってくるわけはないよ!!でもって古い妖怪の名だから···“主”に通じているかもしれんしね!」



まあ、清継くんが会いたがっている主と言うのは夜のリクオと金狐の私のことだが。そう簡単に会えるか、バーカ。



「よっしゃー!それなら何も問題ないわー私らもー」
「この夏はこれで決まりだね!」



なんて盛り上がっていた数日前の皆を思い出した私は思わずため息をついた。本当に大丈夫なんだろうか。



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