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ジーッと見つめてくる視線に、私は教科書から顔をあげられなかった。
今はテストにむけて太一の部屋にお邪魔して勉強中。
太一のお母さんは出掛けてていないし、ヒカリちゃんも大輔君たちとデジタルワールドに行っているので、家にいるのは私と太一だけになる。

なにはともあれ、さっきから手元が止まってますよ、太一君?


『ねぇ、そんなに気になる?メガネ』


たまたまコンタクトがきれてしまって、仕方なく家で普段使っている黒縁のメガネをかけてきたら、すごい太一から見られる。


「おう。だってメガネなんてしてるところ見たことなかったし」
『あれ、そうだっけ?』
「てか俺、星空は目いいんだと思ってた」
『うーん、たしかに中学の途中まではよかったんだけどね』
「ふーん」


興味なさそうに返事をした太一が、私からメガネを取り上げた。
そしてそれをかけてみる。

滅多に見れない太一のメガネ姿に(カッコいい!)と胸キュンするより早く、私はハッとテーブル越しに手を伸ばした。


『ちょ、ちょっと太一!返して!』
「へぇ、そんなにキツくはないんだな」
『もぅ!太一!!』


太一は「怒んなって」って笑いながらクシャクシャと頭を撫でる。

メガネ姿の太一なんてレア中のレア。
そんなカッコいい彼氏に頭を撫でられて赤くならない彼女がいるならここに連れてきてほしい。

熱くなる体に、顔を真っ赤にしながら太一を見上げると、太一はぐいっと私の腕を引っ張って抱き締めた。


「ったく、んな可愛い顔するなよ。襲っちまうぜ?」
『! バ、バカ太一!』
「はいはい、バカで結構ですよ」


もー余裕そうで腹立つ!

ポカポカと太一の胸を叩く。
それでも笑ってる太一に何か仕返ししたくて、私は顔を上げて、ぐっと太一に近づいた。


「星空?」


そのまま太一の頬へとチュッと軽いキスをすると、太一は顔を真っ赤にして片手で顔を覆った。
それでも私を抱き締める腕は離していなくて。
なんだかそれが嬉しくて私はフフッと笑うと太一からメガネを取り返した。


「あっ」
『あっじゃない。これ私の。てか、太一。顔赤いよ?』
「! う、うるせー!」


クスクスと笑いながら太一をからかう。
そして私は太一の腕の中から抜け出そうとぐっと太一の胸を押した。


『ほら、太一。勉強しよ?』
「あー······な、星空」
『ん?』
「今日はこのままイチャイチャしようぜ?」
『······へ?』


きょとんと太一を見上げると、ニヤリと不敵に笑った太一が私を横抱きに抱えあげた。
そのままボスンッとベッドへと落とされて、上から太一が覆い被さってくる。
私は慌てて上体を起こした。


『ちょ、ちょっとストップ!』
「なんでだよ?」
『太一、今回の現国ヤバいんじゃないの!?』
「んー、そうだけどさ。思った以上にメガネ姿の星空が可愛くて勉強どころじゃなくなったんだよな〜」
『なにそれ!?』


嬉しいけど、それとこれとは別!

ぐいっと太一を押すと、その手が太一によって掴まれた。
ぐっと太一との距離が近くなる。

も〜!カッコいい!


「星空は俺とイチャイチャしたくないのか?」
『〜〜〜ッ!』
「ははっ、顔真っ赤だぜ?可愛いな〜」


も う や だ こ の 彼 氏。

顔を両手で覆うと、太一にその手を引きはがされた。
それでもやっぱり正面から見るのは恥ずかしくて上目遣いに見上げると、太一は顔を真っ赤にして口元を押さえながら顔をそらした。


『?太一?』
「ヤバ、なんかキた···」


なにが?

思わず眉を寄せると、くしゃくしゃと太一に頭を撫でられる。

もぅ、せっかくセットしてきたのに!


「なぁ星空」
『?』
「俺以外にメガネ姿見せんなよ?」
『なんで?』
「なんでも。わかったか?」
『よくわかんないけど、わかった』


そういって頷くと太一はよし!と笑った。

なんなんだ?

近づいてきた太一の額と私の額がコツンとあたる。
近い距離にある整った顔の彼氏の顔。

私の彼氏はモテるが、確かにこの顔で優しい性格ならモテて当たり前だ。
嫉妬すごいけどね、彼女の方は!


「んー、メガネの星空も可愛いけど···今はやっぱちょっと邪魔だな」
『え、なんで?』
「だってチューしずれぇもん」


もんとか可愛い!じゃなくてこの人今、なんていった?

パチクリと目を瞬きする間に私の愛用のメガネが外されて、ベッドサイドへと置かれる。

コンタクトをしてるわけじゃないからちょっとボヤけるけど、それでもこれだけ距離が近ければ太一の顔がよく見える。


「ん、これでやりやすくなった」


ニィッと笑った太一は私の唇へとキスを落とした。




どんな君も好き


レアな星空の可愛いメガネ姿が見れて俺は大満足
だけど他のやつには見せてほしくないな
可愛い星空の姿は俺だけが知ってればいい









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