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「星空っち、今日の服可愛いっスね!」

「あ、星空っち、見に来てくれたんスか!?」

「星空っち、見てみて!オレが載ってる雑誌っス!」

「星空っち、どこ行くんスか?オレも行くから待って!」

「星空っち〜!」


······とまあ、今までのことを学校の友達に話したら。


「犬か」


と一言そう言われた。
ズバッと言うなぁと思いながらも私も内心そう思っていたので否定はしなかったけど···。


「星空っち、何考えてるんスか?」
『何も?』


危ない危ない。
今黄瀬君とデート中だったのを忘れてた。

バスケとモデルの仕事でなかなか休みが取れない黄瀬君との貴重なデート。
彼はどこかに行こうかと言ってくれたけど、バスケやらモデルやらで体をちゃんと休める暇がないだろうからその申し出を断ってお家デートということになったのだ。
休ませる目的でお家デートにしたはず···なのだが。


「星空っち〜!」


犬の尻尾がついているとすればブンブンと尻尾を振っているであろう。
足の間に私を座らせて後ろから抱き締めながら、黄瀬君は嬉しそうにぐりぐりと頭を私に押し付けてきた。
だが、私はそんな黄瀬君を放って彼が表紙を飾っている雑誌を読む。


「星空っち、それずっと見てるっスね?」
『うん。だってこれ黄瀬君載ってるし』
「〜〜〜っ!星空っち、可愛い〜!」


どこに可愛いという要素があったのだろうか。

ちょっと抱き締める力を緩めて欲しい。
苦しいよ、黄瀬君。


「星空っち、オレのこと好き?」


後ろから私の顔を覗き込んでそう問いかけてくる黄瀬君に、チラリと視線を向けて頷く。


『うん、好きだよ〜』
「棒読み!!」


「うぅっ、星空っち感情こもってないっス」私の項に顔を埋める黄瀬君をチラリと見て、私は雑誌を置いた。


『好きだよ、黄瀬君。バスケしてる黄瀬君も、モデルしてる黄瀬君も。カッコよくて大好き』


後ろを振り返って頬に軽くキスすると、黄瀬君は顔を真っ赤にして私をきつく抱き締めながら後ろに倒れた。
ぼふっとベッドに寝転がってクスクスと笑う。


「なんで急に······っ。あ〜もう、反則っスよ」
『顔真っ赤〜』


ツンツンと黄瀬君の頬をつつく。
すると黄瀬君は急に真面目な顔になって私の上にのっかってきた。
上から見下ろす黄瀬君の眼差しが真っ直ぐで、照れくさくなって顔をそらそうとすると頬を押さえられて黄瀬君と見つめあわされる。


「オレも好きだよ。星空のこと」


彼の真っ直ぐな眼差しと見つめあって自然と顔を近づけあって、唇を合わせる。
何度も降ってくる彼からのキスを受け止めながら私はそっと黄瀬君の背中に手を回した。




犬系彼氏


私の彼氏は犬かもしれない
だけど私を見つめるその瞳は狼が獲物を狙うみたいで
いつもその熱い眼差しにドキドキするんだ









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