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『ん···』


髪を梳かれているような感じがして薄く目を開けると、見えた先には白いブラウスで。
私はぼーっとそれを見つめながら、寝ているときに無意識に掴んでしまったであろう目の前の白いブラウスをぎゅっと強く掴み直した。


「起きたのか?」


聞こえた声に眠気が覚めないまま顔をあげると、優しい顔で、優しい瞳で私を見つめる青峰君がいた。

お昼休み。
さつきちゃんとお昼ごはんを食べようとしているとメールで屋上に呼び出され、「寝るから膝かせ」と人の膝に勝手に寝転がって寝始めた青峰君に、私もつられて眠くなってそのまま寝ちゃったことを思い出す。

あれ、でも私寝たとき青峰君に抱き締められてなかったよね?
逆に私、青峰君に膝枕してたよね?
なんで抱き締められてるの?


『青峰君、もしかして途中で起きたの?』
「オマエを呼び戻すさつきの電話でな。ま、オレがすぐに切ったから寝てたオマエは起きなかったけど」
『そうなんだ···』


ふわぁと小さいあくびが漏れる。


「眠いなら寝ろよ。こうしててやるから」


青峰君の腕枕。
そして私を包む暖かい体温にまた眠気が襲う。

ご飯食べてないからお腹空いたし、さつきちゃんのことも気になるけど···今は眠気の方が勝っていた。

青峰君の胸に顔を埋めて彼の匂いに包まれながら眠りに落ちる。

優しく私の頭を撫でる青峰君の手と青峰君が呟いた言葉を最後に私はまた目を閉じた。


「星空が起きるまで傍にいてやるよ」




お昼寝のはずだったのにまさかの放課後まで寝ちゃって呼び戻しに来たさつきちゃんに起こされたけど······。
青峰君はずっと私を抱き締めてくれていた。
「はよ」ってあの優しい笑顔が微睡みの中にいた私の目に一番に映りこんだ。




微睡みの先に見えた笑顔



「星空ちゃん、寝顔かわいい〜!」
「うるせぇよ、さつき。こいつが起きるから静かにしろよ」
「青峰君って本当に星空ちゃんには優しいよね。大事にしてるんだね」
「当たり前だろうが」









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