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「やあ、琴葉」
「イーザーヤァァァァ!!!!」
『あーもう、来るな来るな』


偶々通りかかっただけの道で戦争をしている二人。そうーーこの世界では大変有名な"折原臨也"と"平和島静雄"である。
なぜ池袋最強と最強の情報屋と知り合いなのかというとーーまあほら、例の如く高校生の年齢でこの世界に飛ばされた私は彼らと同級生で同じ学校だったのだ。

もうね、年齢何回もやり直してると、(ああ、またか…)と何も思うことがなくなってくるのが現状である。慣れとは恐ろしい。

まあ、話戻すけど。"偶々"高校の時の友達と会って少し喋ってから別れた後。""偶々""この道を通れば私の目の前を自販機が通りすぎていきーーそしてすぐに目の前にこの時季にしては暑苦しい服を着ている真っ黒い奴が現れた。そしてすぐ聞こえてきた怒声。

まあ当然思うよね。来るなと。

高校の時にシズちゃんとは同クラになって、まあそれで"岸谷新羅"とも知り合いになり、"門田京平"とも知り合いになり、そして最終的にこの臨也に目をつけられた。ーーのせいで今も彼らとの縁は続いている。

そしてこの折原臨也という男、卒業した後もしょっちゅう私の前に現れる。もう、本当にストーカーかと思った。その無駄に綺麗な顔面に飛び蹴り食らわしてやろうかと思った。

まあ、他の人にとっては"非日常"かもしれないが、色々とやっている私にとっては"日常"に過ぎない。こんなにパワフルな"日常"いらないけどな。


「買い物してたの?呼んでくれれば一緒にいったのに」
「テメェ、琴葉に話しかけてんじゃねえよ!!!」
「何、シズちゃん。俺は琴葉と話しちゃいけないわけ?友人なのに?ヒドイなー。シズちゃんってそんなに人でなしなんだ?」
「んだと!!!」
『ねえ、ほんっと頼むからやめてってば』


『道路標識持つな、ナイフ持つな!!』彼らの間に入って手を出せば、大人しく言った物をその場に落としたりしまってくれたりした。

「あの二人の戦争止められるのって琴葉だけだよ」と新羅に言われているだけはある。


『私、疲れたんだよね。この後セルティとも約束あるから行っていい?』
「あ、新羅のとこ行くんでしょ。俺も行くよ」
なんで知ってんの?あ、言わなくていい』
「そりゃ、俺情報屋だからね」
『言わなくていいっつったよな』


情報屋ってだけでわかるって本当に怖い。プライバシーがあったもんじゃない。

とりあえず疲れて早くセルティという名の癒しを接種したくて、足を動かせばーー何故かついてくる"二人"。


『何』
「何が?」
『なんで着いてくんの?』
「え、なんでダメなの」
『なんでで返すな面倒くさいっ!』


臨也と話すと疲れるので反対隣にいるシズちゃんへと目を向ければ携帯の画面を見せられた。


『《セルティが琴葉と密会するんだ!どうしよう!!!もしセルティが琴葉に惚れちゃったら…!あんな男顔負けの琴葉に勝てるわけない!!!》………殺すぞコイツ


こんなに新羅に殺意湧いたの初めてだよ。
男顔負けってなんだよ。


「こういうわけで俺が呼ばれたんだよ」
『私は今新羅を殴りたい衝動に駆られている…』
「やめろ」


はあ…とため息をはいて歩き出す。
まあそりゃ池袋でも有名なこの二人と歩けば視線が集まるのも当然なわけで。ビシバシッと当たる視線に、私は泣きそうになった。いや実際泣かないけどね??

臨也は顔がいいし、この変な性格を活かしているのか、臨也信者なんてものまで存在する。それにシズちゃんだって暴れなければ普通にカッコいいのだ。バーテンダーの服だって似合ってるし。まあ、癪だけど臨也だって真っ黒い服似合うし。夏の時にあまり見たくない格好だけど。

そんな顔がイケメンのやつらを連れて歩けば、あの「池袋最強」と「最強の情報屋」の二人を連れている"だけ"の注目度で終わるはずなく、女子の視線が鋭いナイフの如く体に突き刺さる。


「おい、どうした?」
「琴葉行かないのかい?」
『はあ〜〜(クソでかため息)顔はいい…』
「顔"は"?」
「それ褒めてんのか」
『褒めてるよこの野郎!!!』
「え、なんでキレられたの」


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