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「海軍だ!」


そんな声から始まった戦い。
ルフィ、サンジ、ゾロが敵船へと乗り込んでいき、サニー号ではティアナとカナが活躍していた。


「炎竜の鉄拳!」
『水竜の咆哮!』


ドカーンッと派手に敵を吹き飛ばす二人。
その時、離れたところからドサッと人が倒れた音とロビンの声が聞こえた。


「ナミ!?」
「『!』」


二人が振り返ると、顔を赤くしたナミがロビンに抱えられていた。
急いでブルックとフランキーが駆けつけ、ロビンとナミを庇うように敵に攻撃する。


「ティアナ、行って」
『あ?』
「ナミ、船医室に連れていってあげなよ。ここはカナ一人で十分」
『······わかった』


ティアナが踵を返すのを背に感じながらカナは海兵を前にニヤリと不敵に微笑んだ。


「さぁて、やろうか······」


そんなカナの声のあとに、ドカーンッと派手にあがった火柱と多数の悲鳴を聞きながら、ティアナはナミを抱えるロビンのもとへと急いだ。


『容態は?』
「多分風邪だ。ここのところ気候もよく変わってたから······」
『体に限界が来たか』


ナミを看ていたチョッパーの言葉に考えるティアナ。


『ここはカナに任せてある。あたしが連れていくからチョッパーは先に治療の用意をしてくれる?』
「わかった!」


楽しそうに敵を吹っ飛ばしてるカナを横目にティアナにいわれた通りに船医室へと駆けていくチョッパー。
それを見送ってロビンからナミを受け取ったティアナは、彼女を横抱きに抱えてロビンに声をかけた。


『ロビン、悪いんだけど···』
「ええ。ルフィたちには言っておくわ」
『ありがとう。ロビンも気を付けてね。何かあったらカナを盾にしていいから』
「ふふっ。ええ、わかったわ」
「え、ひどくね?」


海兵を倒しながらティアナとロビンの会話を聞いていたカナは、ウソップから肩に手を置かれて振り返った。


「ドンマイ。」
「っ············くっそおおおおお!!」


カナがドカーンッと先程より派手に海兵を吹っ飛ばすのを尻目にティアナは船医室へと急いだ。


「······っ、ティアナ···ゴメンなさい」
『いいから。今は寝ときなさい。チョッパー、ここでいい?』
「ああ!」



***


敵船から戻ってきたルフィとサンジとゾロにナミが倒れたことを伝えて、一味はダイニングキッチンで報告を待っていた。
カチャッとドアが開いて、チョッパーが顔を出す。カナが思わず立ち上がってチョッパーに聞いた。


「チョッパー、どうだった?」
「気候の変化による風邪だと思う。今はゆっくり眠ってるよ」
「一大事〜!ってわけでは···?」
「それは大丈夫。休んでいれば治るから」


その言葉にみんながホッと胸を撫で下ろした。ルフィがティアナがいないことにチョッパーに問いかける。


「チョッパー、ティアナは?」
「今、ナミを看てもらってる。一人にしておくわけにはいかないから」
「それもそうね」
「チョッパー、夜食作ってやるから持っていけ」
「ありがとう」
「あ、カナが一個持っていくよ」
「今日ティアナ、不寝番じゃなかったか?」
「あ、なら私が変わりますよ」
「頼むな、ブルック」


みんなが口々に言うなか、ルフィは黙っていた。それに気づいたゾロが声をかける。


「どうした、ルフィ」
「いや···」


カナはサンジからご飯を受け取りながらそれを横目に見ていた。



***


結局、ティアナが船医室から出てくることはなく、ルフィの胸にもやもやとしたものを残しながら時間は過ぎていき。
翌日。


「おい、ルフィ。食べないのか?」
「······」
「ルフィ?」


何も反応をしないルフィに首をかしげたとき、バタンッとドアが開いてチョッパーが入ってきた。


「ナミが目を覚ましたぞ!」


その言葉にみんなが船医室へと向かうと、ベッドの上で体を起こしたナミがティアナと楽しそうに笑っていた。
仕方なさそうにしながらもナミの頭を撫でるティアナを見て、ルフィは思わず帽子で顔を隠す。


「ナミすわぁ〜ん!よかった!!」
「目が覚めたんだね、ナミ」
「よかったわ」
「心配かけて悪いわね」


よかったよかったと頷くみんな。


「ティアナがずっと看病してたの?」


カナが問いかけると、ティアナはナミの頭に手を置いて頷いた。


『ったく、今度からはちゃんと言ってよね』
「あら、言ったら傍にいてくれる?」
『病人ならね』
「なによそれ」


クスクスと笑うナミと苦笑混じりの笑みを浮かべるティアナ。
いつも通りの二人に仲間たちは笑みを浮かべた。が、いつもならうるさいくらいに騒ぐルフィが静かなことにカナが目をむけると、彼は帽子で顔を隠しながら船医室から静かに出ていった。
やれやれ···とカナがティアナに声をかける。


「ティアナ、ちょっと」
『ん?』


みんなに声をかけられているナミを見て、ティアナはカナのもとへと近寄った。コソコソとカナが喋る。


「すいやせんが、旦那」
『誰が旦那だ』
「ちょっとうちの船長を見てきてくだせぇ」
『その喋り方何···?船長ってルフィ?』
「拗ねてるみたいでさぁ」
『············は?』


なんで?と首を傾げるティアナに、カナの視線がナミへと向かうとその後を追ったティアナが理解したように頷いた。


『なるほどね』
「ここはカナが見とくから、あっちはよろしく」
『ハイハイ』




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