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「な〜ティアナ〜」
『ん?』
「なァ〜」
『だから何?』


部屋で楽譜の整理をしてたところバーンッ!と大きくドアを開けてズカスガとルフィが入ってきた。
ベッドの上で座りながら整理をするあたしを後ろからギュッと抱き締めながらゆらゆらと左右に揺れるルフィに、されるがまま。


『ルフィ、邪魔』
「だってよ〜」


ゆらゆらと揺れる。

なんなんだ。
二年前も割りとベタベタしてきたし、てか今もあんま変わんないけど、なんか最近やたらと人にくっついてくる。
そのせいで、ナミがルフィとケンカするわ、カナがニヤニヤとこっちを見てくるわ。

いや別に嫌じゃないんだけどね!?逆を言えばめちゃめちゃ嬉しいんですけどね!?


「構えよ〜」
『これ終わったらね』
「いつ終わるんだ?」
『あと少し』
「それさっきも聞いたぞ」


あれ、そーだっけ。


「なぁ、ティアナ〜」


甘えたような声であたしを呼ぶルフィにちょっと···いやかなりキュンッ!ときたけど、さすがにこれ終わらせないと。
最近ルフィに構いすぎて全然こっちの方してない。


「ティアナ〜」
『だあああーッ!お願いだから後少しだけ待ってて!!』


大声をあげてビシッとルフィを指差しながらそう言うと、ルフィは肩をビクッと跳ね上がらせた。そしてムスッとしながらもコクンと頷いてくれる。

ちょっと拗ねたけど···いや、まあほんとに後少しだから我慢してほしい。

それから黙々と整理を続ける。
ルフィは最初の方はムスッと不機嫌そうな顔をして、あたしの肩越しに作業を見ていたが、飽きたのか離れていった。
その後は整理に没頭してて知らない。


『ん〜!』


ようやく終わってベッドから降りると楽譜を棚へと戻す。
そういえば物音全然しないな。


『ルフィ、ごめんね。やっとおわ······』


振り返った先には······。


『いや寝てるし』


ベッドに横になって寝ているルフィの姿があった。

いや待って。
少し待てって言ってからそんなに時間経ってないのにこんな短時間で寝る?
何眠かったの?
自分の部屋で寝ろよ。


『ったく、構えって言ったくせに···』


まぁ、これがルフィだから別に苦でもないんだけど。
振り回されるなぁ、やっぱり。

はぁ···とため息をついて、あたしはベッドに近寄った。覗き込んでみると、あたしが普段使っている枕をぎゅっと抱き締めながら眠るルフィがいて。

きゅーん!と胸が締め付けられた。


『か······かわいい〜!』


いや何年ルフィといると思ってんの?たしかに途中一緒にいなかったけどそれでも小さい頃から一緒にいたんだよ?
いくらでもこーゆーの見てるくせに今でもかわいいと思うなんて······。

そろそろ末期か?めちゃめちゃルフィのこと好きじゃん、あたし。


『いや自覚してたし?知ってたし?』


カナがいたら「バカップルめ」って睨まれるんだろうな。想像つくわ。

てか独り言いってんの寂しくなってきた。

とりあえずサンジに言って何かもらおうかな···と踵を返そうとしたその時───


パシッ


『ん?』


掴まれた手首の先を見るとパッチリと目を開けたルフィがじっとあたしを見ていた。

起きてたんかい。


『いつ起きたの?』
「寝てねぇぞ。ずっと起きてた」
『············』


え、まさか······。


『······ってことは?』
「可愛いのはティアナだろ?おれ、可愛いって言われても嬉しくねェぞ!」
『······』
「にしても、デカい独り言だったな?」


そこむし返さないで欲しかったなぁ〜。

しししし!と笑ったルフィはぐいっとあたしの手首を引っ張った。『きゃっ』と引っ張られるがままにベッドへと向かうと、背中に柔らかい感覚があった。
思わず閉じていた目を開けると、目の前ではニヤリと不敵に笑うルフィの姿が。

かぁぁっと頬が赤くなる。あの男の人の顔だ。


「どっちが可愛いかはっきりしないとな?」
『いや、ちょ、待って!』
「待たねェ。さっきさんざん待ったぞ」
『!』


首筋へと顔を埋めたルフィがペロッと舐める。思わず肩を揺らすと、クツクツと喉で笑ったルフィが耳へと顔を近づけた。


「ちゃんと構ってくれよ、ティアナ」


耳元で言われて、体中の体温が一気にあがる。恥ずかしくてルフィの肩を押すが、彼はお構いなしにあたしの耳に舌をいれてきた。クチュッと耳元で聞こえる音にさらに体が熱くなる。


『も···やぁ···っ···ルフィ···!』
「ししし!可愛いぞ、ティアナ」


チュッと啄むようなキスが何度もふってくる。だんだんと深くなるキスにぎゅっとルフィの服を掴んだ。


「ティアナ···」


あぁ、もう。やっぱりルフィはずるい。

熱っぽい視線に答えるようにあたしはルフィの首へと腕を回した。



構え構え


「ほら、可愛いのはティアナの方だっただろ?」
『ご、ゴメンナサイ······』
「ししし!愛してるぞ、ティアナ!」
『!? も〜〜〜!!』



「なぁ、カナ。ルフィとティアナ、いつになったら部屋から出てくるんだ?」
「もうちょっと待って、チョッパー。今入ったらぜってーティアナからのパンチとルフィからの冷たい睨みがくるから。そしてその犠牲になるのカナだから」




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