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ルフィとティアナとカナを除いた全員がダイニングに集まっていた時、外からティアナの大きな声が聞こえた。


『ルフィなんか大っっっ嫌い!!!!』


ティアナのそんな言葉に全員が椅子から滑り落ちる。いつものティアナならあんなことは言わない。というかルフィとケンカしている所なんて見たことがない。
それなのに聞こえてきた声は完全にティアナの声で、麦わらの一味は顔を見合わせると全員で甲板へと出た。
すると、中央で向かい合うティアナとルフィがいた。ティアナはこちらに背を向けているので見えないが、ルフィはずっとうつ向いている。


「ちょっとケンカ?」
「ティアナがルフィに怒るなんて珍しいんじゃねぇか?」


長くルフィとティアナと一緒にいるナミとゾロが口々に言う。他のみんなもあんなに大きな声をあげてルフィに怒るティアナは初めてで困惑したように顔を見合わせていた。


「あの二人がケンカって不味くないか?」
「あぁ、こりゃうちの船長が荒れるぞ」
「普段あんなに仲良いのに······何かあったのかな?」
「さあ···どうかしら。ティアナがあんなに怒るなんて初めてじゃないかしら」
「ヨホホ!いつも仲睦まじいですからねぇ、お二人は」
「オイオイ、カナのヤツはどこ行ったんだ?」


ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、ブルック、フランキーが口々に言う。フランキーがいつもなら傍にいるカナの姿を探せば、ゾロが「ルフィのヤツ、ずっと黙ってんな」と俯いて何も言わないルフィを見た。


「ティアナに大嫌いなんて言われて堪えてるんじゃねぇか?」
「ルフィもティアナちゃんには敵わねぇか」
『は?あたしがルフィに大嫌いなんて言うわけないじゃん』
「そんなの天と地がひっくり返ってもないでしょ〜」


ウソップとサンジに続いて聞こえてきた声にえ?とみんなが振り返れば、彼らの後ろにはいかにも風呂上がりという格好をしているティアナとカナがいた。濡れた髪の毛をそのままにみんなの後ろに立っている。


「え!?ティアナ!?」
「あんた、何でここに?ルフィの前にいたんじゃないの?」
『はあ?何言ってんの?今さっきまでカナと一緒に風呂入ってたのにルフィの傍にいるわけないじゃん』
「「「「え?」」」」


「何どしたの」ケラケラと笑うカナをそのままに、じゃあルフィの前に立っているヤツは誰だ?と視線を戻せば、ゆっくりと顔を上げたルフィがティアナに似た人物を睨み付けた。


「誰だお前。ティアナがそんなこと言うわけねェ!!」


ルフィの声を聞いて、ティアナが芝生を覗き見れば確かに自分と似た容姿のヤツがそこにいた。眉を寄せて『はぁ···』とため息を吐く。


『そういえばカナ、さっき物音したって言ったよな?』
「あぁ、もしかしてあいつ?ティアナのフリでもしてカナたちを襲おうとしたんだ?無理無理、諦めな?ルフィがティアナのこと見分けられないワケないじゃん」


タオルを肩にかけて呆れるティアナと同じく肩にタオルをかけながらケラケラと笑うカナ。彼女たちの声が聞こえたのか、ティアナに化けていた人物は「チッ!」と舌打ちをして姿を戻す。


「「「「男ォ!!?」」」」
「ちょっと!男がティアナに化けてたワケ!?」
「あら、全然ティアナに似てないわね」
『いや、似られててもヤだわ』
「男版ティアナ?やだ〜」


驚く男子軍と冷静に言う女子軍。ナミは男がティアナに化けていたことに憤慨し、ロビンは気持ち悪いわと冷めた瞳をする。その隣のティアナは手すりに頬杖をつきながらうえ〜と舌を出し、カナは無理無理と肩を擦った。


「クッソ!」
「お前ェ!勝手にティアナに化けるな!!気持ち悪ィ!!」
「「「同感ね」」」


ルフィの言葉にナミとロビンとカナが同意する。男がティアナに化けていたことに驚いていた男子軍も頷いた。
戦闘態勢に入るルフィに慌てて逃げようとサニー号の手すりに手を掛ける男。勿論それを見逃すワケもなく、ティアナはパチンッと指を鳴らした。


『勝手に人に化けてルフィに最低なこと言った癖に、簡単に逃げられると思ってんの?』


海の水を操ると逃げようとしていた男の足を水で囲う。そして一瞬のうちに凍らせて足を手すりに凍り付けにした。
その隙にルフィが大きく腕を振りかぶる。


「"ゴムゴムの"───"ピストル"!!!!」


ルフィに殴り飛ばされた男は、水平線の彼方にぶっ飛ばされた。それを拍手して見送るみんなに、ティアナもやれやれと首を振る。


「二度とティアナに化けるな!!」


フンッと鼻を鳴らしたルフィがティアナを見て、しししし!!と笑う。


「ティアナがどんなに姿を変えてようが、おれが分からねぇわけねぇ!!」


ティアナもルフィの言葉に笑みを浮かべる。すると他のみんなが「ハイハイ」とイチャイチャは他所でやれとダイニングに引き返していく。その中でカナは首を傾げていた。


「あいつ、結局なんだったわけ?」



どんな君でも


「ティアナ風呂入ってたのか?髪濡れてるぞ」
『うん。カナとね』
「ふーん。おれが髪の毛拭く!」
『ほんと?お願いね』
「おう!」
「え、ねえ。誰もあいつのこと気にしてない感じ??カナだけ???」




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