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離れたくない


「ティアナ、大丈夫か?寒くねェか?」
『うん、大丈夫だよ』


カナがウソップとチョッパーと共にゾロをからかいにいって、サンジがそれに交ざり、ケンカが始まる様子を腰掛けて見ていたティアナの隣にルフィが腰をおろした。

あぐらをかくルフィと膝を抱えて座るティアナの目は前で騒ぐカナたちをとらえている。


『金獅子のシキ······か』
「?」
『あの人······ナミを取り返そうとしたとき、あたしに向かって『後で迎えに行く』って言ったの』
「!!」


じっとカナたちを見るティアナが、さらにぎゅっと体を縮こませたとき、シャランと右手のブレスレットが鳴った。
いつもより小さく感じるティアナに、ルフィは目を向ける。


『あたしも捕まるのかな······』
「んなことさせねェ!」


ぐいっと抱きしめられたティアナは、ルフィの腕の中で目を瞬かせた。


「ティアナは絶対ェ誰にもやらねえ!!」
『············』
「もう離れたくねェ······」


ぎゅっと強く抱きしめられて、ティアナはくしゃりと顔を歪ませるとルフィの背中に腕を回した。

お互いを強く抱きしめ合うティアナとルフィの様子を、少し離れたところから見ていたチョッパーがカナを見上げる。


「ティアナ、なんかあったのかな?」
「なんで?」
「なんか······不安そうだ」


チョッパーの言葉にカナはチラリとチョッパーを一瞥すると、ティアナとルフィの様子を見てクスリと笑みを浮かべた。

確かにジャングルで迷っていたときからどこか不安そうにしていたが、自分ではどうにもできないことは分かっていた。シキに言われた言葉を気にしているティアナの不安を取り除けるのは自分じゃなくて、最愛の人ルフィだけだって知っていたから。


「大丈夫だよ、もう」
「え?」
「ルフィがそばにいれば、ティアナは大丈夫。あのふたりは、お互いがいて強くなれるんだから」
「······そっか!」
「〜〜〜っ!可愛すぎかチョッパー!!」


嬉しそうにルフィとティアナを見て笑うチョッパーに癒されたカナが、チョッパーに飛びついてすりすりと頬ずりした瞬間、ピクリとその動作を停止した。そして嫌そうに振り返った。

同時にルフィに抱きしめられていたティアナも、ヒクリと鼻をひくつかせてルフィから体を離した。そんなふたりの様子をみんなが不思議そうに見つめる。


「どうしたんだ?」
『カナ······』
「うん······」


ふたりは視線を合わせて臭いの元を睨み付けた。



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