幼き日の約束
家の向かいに一人の男の子が住んでる。
その子は私と同い年で、家も真向かいだからよく一緒に遊んでた。
幼稚園も小学校も中学校も一緒で、遂には高校まで一緒ときた。
私は嬉しいけど、彼は頭がいいからもっといい高校に行けたはずなんだけどな。
運動も出来るんだし………
そんな頭脳明晰運動神経抜群でぶっきらぼうだけど実は優しい彼のことが私は大好きです。
だからずっとこの関係が続いていればいいなって思ってたんです。
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朝、寝坊してバタバタと家の中を駆け回っているとインターホンが鳴った。
「また寝坊したのか」
『五月蝿い!』
入ってきたのは幼なじみの青龍だった。
一応インターホンは鳴らすが普通に出迎えに行かなくても入ってくる。
青龍は既にきっちりと制服を纏っていて、準備万端である。
『先に行ってていいよ!私は全速力で走るから!』
「そんな事を言うくらいならもっと早く起きろ」
『う……っ…………すみません…………』
申し訳なくて一瞬髪をまとめる手が止まってしまった。
でもこんな冷たいことを言っても何だかんだで青龍は待っていてくれるのだ。
だから彼は所謂ツンデレというものなのだと最近思っている。
『遅刻しても知らないからね…………』
赤くなった顔を隠すように顔を背け、咲は髪を結った。
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『急ぐよ、青龍!』
「わかっている」
家を飛び出すと二人は学校に向かって駆け出した。
『せ、青龍………足速い………』
暫く走ると体力の差が出てきた。
「…………悪い」
『いや、合わせなくていいから。さっさと行ってよ。その速さなら余裕で間に合うから』
「………いや………」
青龍は咲の側に行くと、咲の手を掴んだ。
「っ行くぞ」
『っ』
青龍は咲の腕をひき、前を見て走り出した。
咲は突然手を掴まれて顔が真っ赤になったが、腕を引かれながら青龍をチラリと見た。
青龍は耳が赤くなっていて、顔も真っ赤なんだろうな、と思うとクスリと笑ってしまった。
そして手を握り返してやると、更に真っ赤になって笑えた。
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