5回戦、一試合目の疲れがあるせいか精度には欠けるが誠凛は何とか勝利を納めた。

次は王者二連戦である。

美琴は正邦の試合を録画したビデオを手にリコたちと合流した。








「ありがとう、虹村さん」

『いえ。5回戦勝利おめでとうございます』

「ありがとう。それで、虹村さんから見てみて正邦はどうだった?」

『どう………なんだか、癖の強い学校だなぁ、と………』






見てまず最初に感じたのは違和感だ。

普通のバスケ選手とは動きというよりリズムが違う。







『後、DFが強いですね。基本マンツーマンにしてるにしても、圧迫感というか………超密着でプレッシャーを与えていますよね。普通ならそんなことをすれば試合中保たないですけど、それをあの違和感のある動きで可能にしてるって感じですかね。例えば走る時は手足が同じ側動くことで体を捻らせないことで負担を減らしていたり………』

「………流石、帝光でマネージャーしてただけはあるわね………」

『え?そうですか?』

「普通の人だったら一試合みただけでそこまで気づかないわよ。正邦はDFで有名なところでね、あの独特な動きは古武術を取り入れているのよ」

『古武術、ですか………』







昔、合気道を取り入れた妙に上手い間合いの取り方とかファウルの取り方してた学校を思い出すなぁ………

バスケって色々と応用ができるのね………

流石に古武術取り入れるって発想はなかったわ。








「…………虹村さん」

『何ですか?』

「もしかして、虹村さんって正邦の試合を見ていて独特の癖から次の動作を予測とか………できてたりする?」

『あぁ、古武術が入ってるってことは結構特殊ってことですからね。一試合しか見ていないので何とも言えないのですが………まぁもしかしたらこうかなーぐらいの予想はいくつか………』







そう言った瞬間、リコに力強く両肩を掴まれた。








『え?カントク?どうかしました?』

「虹村さん!お願いがあるんだけど!」

『え?』









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