No.21:『パン屋』『学生』『休日』


月に一度、第3日曜日に近所のパン屋さんでパン作り教室が開かれる。
参加者は主婦や小さな子供ばかりで、高校生の俺は酷く浮いていた。
それでもココに来てしまうのには訳がある。
「はい、それじゃあ皆さん此方に注目してください」
その視線の先にいる男に邪な思いを抱いたからだ


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No.22:生きることすら面倒な教師と危ない職業の人が一緒に暮らす話


「今日からここに住む」
「はぁ?」
学校の教材が散らかる部屋で、帰宅した服装のまま床に寝そべる男が怪訝な声を上げた。
「この生活続けたらお前死ぬだろ」
「俺を生かすの。殺し屋の癖に。」
愛する者には生きて欲しいと言いかけた言葉を飲み込む。
迷惑な恋心など伝えられる訳無い


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No.23:誰も信じない音楽家と謎の多い友人とのコメディ


「私のリリィに触るな!」
そう言って私の友だと名乗る男の手から楽譜を奪い取る。
「手厳しいなぁ」
そういって男はニヤリと笑った。
最近気づいたのだがこいつが来ると私の大事な友人が居なくなる。
そして唯一の情報源のラジオから大事な友人の声が流れるのだ。
一体こいつは何者だ?


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No.24:「夕方の会議室」で登場人物が「プロポーズする」、「ミルク」という単語を使ったお話


ブラインドの隙間から洩れる夕日の光に照らされ、会議室の机に置かれたリングがキラリと光る。
「直球ですね」
「回りくどいのは苦手でね」
そう言って舐めているミルクキャンディを噛み砕くと、口の中が甘みでいっぱいになった。しかしこれより語る言葉はもっともっと、甘い。


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No.25:『賞金首の無表情攻めと魔界から迷い込んだ悪魔の同い年受けで受けが攻めを介抱する』


無表情のままだらだらと血を流す男の腕に布を巻きつける。
自分も迷子で困っていたがこの状況は見過ごせない。
「悪魔って人助けるんだ」
「文句あんのか?」
「気にいった」
奴はそう言うと俺を抱き寄せキスをした。
この同じ年の賞金首は命の狙われすぎで頭が可笑しくなったようだ


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