背徳、
そうだ、この感情は背徳
どうしようもない後ろめたさを感じながら、焼けそうな程の熱情に浸っている
高貴で気高い兄と、体を重ねている
その紛れもない事実が己の興奮を煽り、自らの指先までもを熱くするのだ

引き締まった肢体を伝う汗の艶やかさに見とれていると、もどかしいのか自ずと身をよじらせる兄に、また体温が上がるのを感じた

弟の好きなように体を預け、無様な姿を晒すのはどれ程の羞恥を覚えるのだろうか
それとも恥辱すら忘れ、快楽を追うのだろうか
そうしたら、どんな顔をして僕にせがむのだろうか

興奮と欲望で溢れ返りそうになっている自分を自分で焦らすように舌先で腹部、胸部、首と伝っていくと、ん、ん、と途切れ途切れにか細く甘い声が頭上から聞こえてくる
なんて堪らないのだろう
兄さんも堪らないよね
そう問い掛けるように目だけで兄さんの顔を見やると、これ以上に無いほどの切ない顔をしていた
思わずゴクリと音を鳴らして唾を飲み込む
耳まで赤くして、ちらちらと物欲しげな眼差しを向けて、
ああ兄さんそんなに、

「兄さん、僕のこと、ほしい?」




心臓のいちばん脆いぶぶんで受けとめておくれ




*


カムリョで書いていたけど、カムマクでもいいな!選べないな!となった結果兄と表記しました。お好みで。



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