吐くことを繰り返す サタシェB


『すべてを欲しがる愚か両手』の続き




「お前は、私が嫌いなんじゃなかったのか?」
「・・・嫌いだ」
「だろう?なんなのだ。さっきから。お前らしくもないしわけがわからない。」

俺らしくもない。そんなの自分で自覚しているさ
第一サタンを好きになること自体、どうかしてる
けど、好きになってしまったものはもう取り返しがつかなくて

「・・・ッ、俺は、」

もういっそのこと言ってしまおう。
もう抑えきれそうにない。これ以上抑えたら、泣き出してしまいそうだ
女々しく、みっともない姿、サタンの前では晒したくない

声が小さく聞き取りづらかったのか、サタンは耳をこちらに傾ける。

「お、お前が」

あふれ出そうな言葉を少しづつ、抑えて、音を発し、言葉にする


「好き、なんだよ」


嗚呼言ってしまった。どうしよう。あいつはなんて思ったのだろうか。
まあ、きっと気持ち悪いとでも思ったのだろうな
サタンは再び驚きの表情を見せる。戸惑いも混じった。
沈黙が続く。

きっとサタンはなんて言おうか迷っている
ああああ、もう、なにも言ってくれないほうがいい。伝えれたのだ。それで十分だ。あいつは先ほど俺を嫌いだと言った。いつもの声で。結果は見えている。

俺は羞恥と苦しさゆえ、振り向きその場を逃げ去ろうとした
しかし、それは先ほどまで目の前にいた奴によって止められた。腕をがっちりと掴まれている。


「・・・待て」


やめてくれ。そんな真剣な目で、声で、


抵抗するもサタンは腕を放してはくれずに俺の目をとらえて離さなかった








吐くことを繰り返す




title...Aコース様




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